二つの木
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/23 06:29 UTC 版)
物語における重要性
ヴァルダが中つ国のエルフのために二つの木から集めた雫を天空にまいて星々を創り出したとき、二つの木はまだ健在だった。オロメがエルフたちにアマンへの渡航を促すため3人のエルフを使節として選びヴァリノールに連れて行った際に、エルフたちが最も感動したのは二つの木であったと思われる。とりわけシンゴルはメリアンに出会う以前は、ヴァリノールの光を再び見たいという欲求を動機として大いなる旅を続けたといわれている。また二つの木の光は、後にエルフを光を見たカラクウェンディと光を見ることなく中つ国に留まったモリクウェンディを分ける基準となっており、作中では前者が後者より優れるという描写が様々な形で為されている。
第一紀ではその歴史全体において、汚れなき二つの木の光を内に宿す唯一の存在であるシルマリルを所有したいという者たちの欲望に強い影響を与えている様子が描かれている。第二紀と第三紀ではテルペリオンに由来するヌーメノールとゴンドールの白の木が両王国の象徴とされ、またドゥーネダインとエルフとの古くからの結びつきを思い起こさせるものとして描かれている。しかし白の木と両王国の関係はより深いものかもしれない。なぜなら白の木の破壊もしくは枯死は必ず王国の存続に関わる問題と結びついており、より強い神秘的な絆の存在をうかがわせるからである。
異名
テルペリオンはシルピオン(Silpion)やニンクウェローテ(Ninquelótë)と、ラウレリンはマリナルダ(Malinalda)やクルーリエン(Culúrien)とも呼ばれていたという。(『シルマリルの物語』参照)。トールキンが書き残した初期のテルペリオンの名前はシルピオン(Silpion)、バンシル(Bansil)、ベルシル(Belthil)であった(『中つ国の歴史』参照)。
参考文献
- J・R・R・トールキン『新版シルマリルの物語』 田中明子訳、評論社、2003年。
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