ヴァルキリープロファイル2 シルメリア 概要

ヴァルキリープロファイル2 シルメリア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/20 04:09 UTC 版)

概要

2006年6月22日に通常版とフィギュア、CDなどのグッズを同梱した初回限定版「ARTIFACT BOX」を発売。

2007年6月28日にはアルティメットヒッツとして発売された。

本作は『ヴァルキリープロファイル』の続編にあたり、本作の発売に先行して前作の『ヴァルキリープロファイル -レナス-』としてPSPに移植された。また、『ガンガンパワード』連載の林ふみのによるコミカライズが全4巻発行されている。

ゲーム内容は前作同様、フレイが男神でなく女神であるなど様々なアレンジが加えられているが、北欧神話をベースとしている。前作の主人公が神々の一員という設定であったのに対し、本作における新たな主人公は神々と敵対する存在として設定されており、前作では協力者として登場した神々が敵として登場する展開となっている。

前作より数百年前の世界が舞台となる。前作のミッドガルドは戦乱の最中にあったが、今作では大きな戦争などは起こっておらず、世界はおおむね平和な様相を保っている。前作で暗く、寂れた表現をされていた街も、光があふれ活気のある描写がなされている。

ストーリーは、前作で「亡失都市ディパン」として登場したディパン公国をめぐる内容が中心となっている。今作では、生前のバルバロッサ王の統治のもと、「世界でもっとも栄えている国」などと評されるほどの繁栄を見せている。そのほかにも前作に登場する街・国などがいくつか登場する。ラグナロクに関する内容は見られないが、本作では戦乙女のアーリィが活動しており、傭兵のレオーネとしても活動している。

ストーリー

ヴァルキリー三姉妹の三女であるシルメリアは戦乙女としてオーディンの命に忠実に従っていたが、とある命令に疑問を抱き、それ以降オーディンに対し不服従の姿勢をとるようになった。その事態を重く見たオーディンは「王呼の秘法」でシルメリアを強制的に転生させ、長女であるアーリィを代わりに召喚する。しかし「王呼の秘法」の発動は不完全であり、シルメリアの魂はある少女の中で密かに目覚めていた。

ディパン公国の王女・アリーシャは、体内にシルメリアの精神を有していることから公国を放逐され古城にて生活を送っていたが、シルメリアの覚醒に気づいた神界によってアーリィを差し向けられ、襲撃を受ける。アリーシャはシルメリアの助けによって城を脱出し、難を逃れるが、シルメリアは自分をおびき出すためにディパンが攻撃されるだろうと予測、2人は国の危機を知らせるためにディパンを目指す。

しかしディパン王・バルバロッサの説得に失敗し、アリーシャとシルメリアは神々とディパンの戦争を阻止するため、秘宝ドラゴンオーブを求める旅へと出発する。その過程で彼女らはルーファス、ディラン、レザード、レオーネ、アリューゼといった旅の仲間を得ていくが、しかし彼らは仲間に対してそれぞれ秘密を隠しており、異なる思惑を胸に秘めていた。冒険を通して彼らは仲間としての交流を深めていくが、彼らの真の利害は一致せず、物語はディパン公国の滅亡という悲劇へと進んでいく。

家族、故郷、仲間といった全てを失ったアリーシャは、ただ一人残った仲間であるルーファスと共に神界を目指し神々との戦いへと赴くが、最終的に彼女らは、争乱の陰には神々すら把握していなかった、数百年後の未来に起こるラグナロクの後の世界が関わっていることを知ることになる。

ゲームシステム

ゲームの流れ

前作では神の勢力に属しており、最初から世界を自由に飛び回ることができたのに対し、本作では人間に与する存在であり、ゲーム内容も従来のRPG同様に地上を移動し、物語の進行に従って少しずつ行動範囲を広げていくものとなっている。プレイヤーは発生するイベントに沿った形で洞窟や遺跡、森や草原などといったフィールドをクリアし、物語を進めていく。

フィールドマップ

フィールドはサイドビュー視点の3DCGで描かれている。プレイヤーは主人公であるアリーシャを操作し、左右への移動、ジャンプ、しゃがむ、光子を放つ、剣を振るう、といったアクションを行うことができる。フィールドに点在する敵シンボルと接触すると戦闘となるが(シンボルエンカウント)、剣を当てることで先制攻撃などの有利な状態で攻撃を仕掛けることができる。

アリーシャはシルメリアから授かった能力として、光子の弾丸を放つことができる。光子は壁に当たると反射し、また敵シンボルやフィールド上の置物に当てることで、それらを閉じ込めた水晶の塊を作り出すことができる。敵シンボルや置物を取り込んだ水晶の塊はジャンプの足場などとして利用することができるほか、もう一度光子を当てることによって、主人公の位置と水晶の塊の位置を瞬間移動させて入れ替えることができ、飛び越えられない崖の上にいる敵を利用して崖の上へと瞬間移動するなどといったアクションが可能となっている。場合によっては先に進むために、モンスターの配置を工夫した上で瞬間移動を活用するなど、パズル的な攻略を要求される場合もある。

このほかフィールドには「封印石」と呼ばれるアイテムが点在しており、それぞれ戦闘に与える効果などが設定されている。この効果は主人公が封印石をアイテムとして取得して所持している場合には仲間キャラクター側にその効果が適用されるようになり、フィールド上にある台座に設置している場合には敵キャラクター側にその効果が適用される。つまり敵キャラクターに対して有利な効果を及ぼしている封印石を台座から外して主人公に取得させ、不利な効果のある封印石を手強い敵のいる部屋に設置することで、戦闘を優位に進めることができる。これらの封印石はフィールドの攻略にも関係しているが、封印石の持ち運びには様々なルールがあり、意図した効果を発動させるにはパズル的な攻略を要求される場合もある。

戦闘

本作の戦闘システムは前作より大幅に変更となり、3Dマップの中をキャラクターを操作して敵に接近・攻撃を加えて撃破していくというシステムとなっている。決め技ゲージ、コンボシステムなど前作より引き継いでいるシステムもあるが、フィールドの移動、AP(アクションポイント)など新たに導入されたシステムにより、感触は大きく異なっている。

戦闘開始時にはAPは最大値の100あり、通常攻撃、魔法、アイテムは使うたびに設定されたAPを消費する。APは移動、敵の攻撃を受けるなどで回復する。

戦闘の流れは、移動、メニューの使用が可能な移動モードと、敵に攻撃を行う攻撃モードに大きく分けられる。

移動モード
キャラクターを操作してフィールドを移動する。敵に近づく、距離をとる、メニューの使用などが行える。戦闘フィールドはダンジョンによって形や高低差に特徴があるので、位置取りも戦闘に影響する要素となる。また、R1ボタンを押す事によって、敵に行動させずに長距離を移動できるダッシュが行える。これを使うと敵の背後に回ったり距離をとったりすることが容易になるが、APを15消費する。
フィールド上の赤いエリアは敵の攻撃範囲であり、この中に味方キャラクターが入ると敵の攻撃が発動する。敵の攻撃はほとんどが範囲攻撃であり、複数のキャラクターがダメージを受けることが多い。
移動モード中、十字キー上下を押すことで、パーティーを分割し、操作するキャラを2組に分けて戦闘を行う事ができる。片方を操作中はもう片方を操作できない仕組みになっている、これによりおとりを置いたりなど新しい戦術を考察する事が可能である。
キャラクターの周囲には環状の攻撃範囲が表示されており、この範囲入った敵には攻撃が可能となる。キャラクターに対応したボタンを押すことで、自動的に攻撃モードへ移行する。
攻撃モード
攻撃中は前作と同様、4人の仲間を同時に操って攻撃するというもので、コントローラーの○×△□のボタンを押すことで、それぞれの位置に対応するキャラクターが攻撃を行う。APが無くなるまで攻撃を繰り返すことができ、最大4人でコンボを決めて敵にダメージを与えていく。コンボをうまく繋ぐことによってパーティ全員で共有される決め技ゲージが溜まり、大ダメージを与える決め技や大魔法を使用することができる。
戦闘の勝利条件
前作では敵の全滅が絶対条件であったが、今作では敵のリーダーを倒すことが第一条件となる。リーダーとなる敵はそのダンジョンで出るモンスターだが、HPバーが黄色で表示され、名前の横にアイコンがつく。敵リーダーを倒すと、その時点で残っている敵は去っていく。終了時に去った敵の経験値も入る。一部の戦闘ではリーダーが存在しないことがあり、この場合は敵の全滅が勝利条件となる。リーダーを早く倒せばボーナスとして魔晶石を多く獲得できるが、フィールド内の敵を全て倒したほうが、敵の落とすアイテムを集めやすい。どちらを優先するかはプレイヤー次第である。
ゲームオーバー
前作では特殊なダンジョン以外で全滅するとワールドマップに戻されたが、本作では特殊なダンジョン以外でもゲームオーバーになってしまう。条件はパーティー全員が戦闘不能、石化、凍結などの状態異常に陥る事を示す。

部位破壊

モンスターには、モンスター自体のHPのほかに、頭、尻尾、足などといった部位があり、それぞれにも個別にHPが設定されている。攻撃によって各部位のHPを0にすると、その部位が切断され消失する。敵の落とすアイテムは部位ごとに設定されており、欲しいアイテムがある場合は特定部位を狙って攻撃する必要がある。攻撃時の方向、攻撃技の特性(切り下ろし、切り上げなど)などを考慮し、狙った部分にいかに攻撃を当てるか工夫することで、楽しみが生まれている。

部位切断によって攻撃力や攻撃技が変化するモンスターも存在し、部位にはいくつか特殊なものが設定されている。

弱点部位
その部位のHPを0にすると、モンスターを即死させる。
装甲部位
攻撃するとガードと同じ効果音がし、部位のHPは減らすことができるがモンスターのHPを減らすことができない。敵の鎧や武器、殻などに設定されていることが多い。

エインフェリアの加入・解放

各地のダンジョン内にあるエインフェリアの遺品を調べると、各場所ごとに定められた1〜3人のエインフェリアの中からランダムで1人が選ばれ、仲間に加わるといった仕組みになっている(そのため、1度のプレイでは全てのエインフェリアをパーティに加えることは不可能)。

加入時のレベル(パーティ内の高レベルキャラ上位6名の平均値にて加入)から5レベル成長させると、そのエインフェリアを解放し、人間として蘇らせることができる。解放されたエインフェリアはパーティーから離脱するが、代わりに能力値上昇アイテムが手に入る。前作の神界転送やアーティファクトの献上にあたるシステムになっているが、解放しない場合のデメリットは特にない。

解放後のエインフェリアは街などで普通の生活をはじめ、彼らに話しかけるとアイテムを入手できる場合もある。また、解放したエインフェリアとの会話や入手できるアイテムは話し掛けたチャプターにより変化する事もある。

本作ではエインフェリアに関するイベントは原則的に無いが、彼等の素性はメニューで見ることのできるプロフィールや戦闘中に発生する特殊会話(後述)、もしくは解放後のセリフ、街で読むことのできる本などで補完する事ができる。

映像切替

本作はプログレッシブ表示(525p)に対応しており、ゲームの起動時にマニュアルに書かれた操作を行うことで表示設定を行うことができる[1]。また、マニュアルに書かれていない裏技として、プログレッシブ表示の設定画面で隠しコマンド[2]を入力することにより、非公式ながらハイビジョン表示(1080i)にも切り替えることができる。


  1. ^ ゲームソフト『ヴァルキリープロファイル2 シルメリア』解説書(マニュアル)、9頁。
  2. ^ 具体的にはマニュアルの操作に従ってプログレッシブ設定画面を出した後、↑←→↑←→↑←→(L1・R1)□を押す。ハイビジョン設定画面が表示されると設定可能。
  3. ^ ゲームソフト『ヴァルキリープロファイル2 シルメリア』解説書(マニュアル)、5頁。
  4. ^ ゲーム本編、レオーネをパーティに加えた後にセルドベルグ山岳遺跡を出る際のイベントによる。
  5. ^ ゲーム中、ステータス画面で読むことのできる解説では、アリーシャとの交流がアーリィの心を動かしたことが明記されている。また、オーディンがレザードに連れ去られた後のエインフェリア達やアリューゼの反応も、自分達神の傲慢さを自覚するに至ったと言える。
  6. ^ a b メディアワークス『ヴァルキリープロファイル2 -シルメリア- ザ・マスターガイド』






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