ロングイェールビーン 交通

ロングイェールビーン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/24 09:38 UTC 版)

交通

スヴァールバル空港

ロングイェールビーンの西側にあるスヴァールバル空港には、本土から通年で航空便が就航している。スピッツベルゲン島には居住地と居住地を結ぶような長距離道路がなく、夏には船で、冬にはスノーモービルで移動することになるが、Sveagruvaとニーオーレスンへは定期航空便もある。ロシアの石炭会社があるバレンツブルクにはヘリコプター基地があり、スヴァールバル空港から従業員を輸送している。

スヴァールバルに最初に空港ができたのは1958年で、アドベント谷の凍ったツンドラを滑走路に使ったものだった。最初は空軍のCatalinaが、翌年には郵便飛行機が、その翌年には旅客機が飛ぶようになったが、滑走路が凍ったツンドラだったので冬にしか運航できなかった。通年利用できる空港の需要が増し、1973年に新たに滑走路の建造が始まり、1975年9月2日に公式に開港した。 その年Lille julaftenに「スヴァールバル妻問題」が起きる。空港のソビエト人係官の妻3人がスヴァールバルに来たが、ノルウェー当局は契約になく、またノルウェー人労働者は配偶者を連れてきていないので不公平だとして許可しなかった。ノルウェー人の居住地では住居不足が深刻だったのである。4月10日になって、ノルウェーはエアロフロートの人員を当初の通りロングイェールビーンに受け入れるが、配偶者もその数の中に数えるということで解決した。 2007年12月10日、1億2000万クローネかけた新しいターミナルができた。

トロムソから航空便で1時間半、船だと2日かかる。

行政

新しい総督府庁舎

1925年に領有権が確定した際、スヴァールバルを独立の県ないし自治体にするという提案は国会で支持されず、代わりに王が任命する政府の代理人たる総督による特別な行政体制が選ばれた。

2002年になって選挙による議会が統治する地域行政府(lokalstyre)が創設された。地域行政府は、町のインフラ(電力・水道・道路・港湾・消防など)、土地利用計画、教育や福祉(プールや映画館など)などを担う。地域議会は15名の議員で構成され、4年ごと10月に選挙が行われる。選挙権・被選挙権はノルウェー人、その年3月末に居住していた北欧諸国の市民、3年以上居住するそれ以外の外国人のうち、ロングイェールビーンに住民登録している18歳以上の者に与えられる。

2006年にノルウェー都市・地域問題研究所(Norsk institutt for by- og regionforskning)が地域行政府制度の評価をしたところ、地域行政府への信頼はあまり高くなく、多くの住民が自治はうまく機能していないと考えていた。住民の半数、特にスヴァールバルに長く住む人ほどこの制度に反対していた。

2007年10月21日22日の地域議会選挙には5つの党派が参加し、有権者数は1563人、投票率は40.27%だった。各党派の議席数は、労働党7、連立候補者名簿4、保守党3、スヴァールバル地域候補者名簿1、進歩党0となった。

人口統計

ロングイェールビーンはかつて男性中心の炭鉱町だったが、近年[いつ?]では女性や子どもが増えて本土と比べても「普通の」町になりつつある。保育園や学校もある。それでも20歳未満の子どもや65歳以上の高齢者の割合は、まだノルウェー本土と比べて少なく25%に満たない。

スヴァールバルに住むノルウェー人は、本土の自治体の住民として登録されており、そこで投票などを行う。およそ半数が、北部4県の自治体の住民として登録されている。一方、1995年からスヴァールバルにも住民登録制度ができた。転入・転出の際には(国際的な移住も含め)届け出る必要がある。雇用主は毎年税務署にスヴァールバルに居住する従業員のリストを提出しなければいけない。

2008年末の人口はおよそ2060人であり、そのうちおよそ6分の1はノルウェー以外の国籍を持つ。代表的な国籍はタイスウェーデンデンマークドイツロシアウクライナである。


  1. ^ Dagmar Hagen & Tommy Prestø (2007). Biologisk mangfold - temarapport som grunnlag for arealplan for Longyearbyen planområde. Norsk institutt for naturforskning 
  2. ^ Longyearbyen Climate Guide, Svalbard”. Weather2Travel. 2010年6月14日閲覧。
  3. ^ ちなみに1920年のノルウェーの歳入が1250万クローネであった
  4. ^ https://www.politico.eu/article/coal-phaseout-reaches-remote-arctic-archipelago-svalbard-norway/
  5. ^ Kristin Straumsheim Grønli (2006年12月13日). “Øyet i himmelen laster ned på Svalbard”. Forskning.no. 2007年12月9日閲覧。
  6. ^ The Seed Bank Atop the World. latimes.com. Retrieved October 12, 2007.






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