ラグナクリムゾン 用語

ラグナクリムゾン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/11 04:49 UTC 版)

用語

竜とは、本作では人類の天敵となる生物。その体には「気」が流れていない代わりに、血液には魔力が流れている。また太陽光と銀気が弱点。知性と能力、出自により上位竜、中位竜、下位竜の3種に大別される。一般的なイメージのドラゴンと同様に翼の生えたトカゲのような姿がほとんどだが、上位竜は人の姿をしている。その大きさは様々で人より小さいものから建物より大きいものまで。この他にも腕がなく翼が生えているものや腕と翼が生えているものなど、作中では個体ごとに骨格的な差異が見られる。 竜の神を頂点に「翼」、「鱗」、「爪牙」、「咆哮」、「眼」、「骨」の合計6つの血族がある。

上位竜
完全な知性を持ち、普段は人間と同じ姿をしている竜。狩竜人にとっては出逢えば死を意味する存在と言われているほど強大。血脈の流れが魔法発動に必要な表現方法(術式)になっており、イメージするだけで強力な魔法を使用できる。この他、自身の血から炎や中位竜、下位竜を作り出せる。実は血主からその血を与えられた元人間。
上位竜は血主の血の馴染み具合から「成りかけ」と「成者」の2種類に分けられる。
成りかけ
血主から血を分けられた上位竜の内、その血に馴染んでいない竜。「翼の血族」内では「十三位階」と呼んでいる。この「成りかけ」の期間の短さが血族としての資質を計る目安となっており、短い者ほど資質が高い。平均的に10〜15年ほどの期間を経る。
成者
血主から血を分けられた上位竜の内、その血に馴染んだ竜。
中位竜
高い知性を持ち人語を操る竜。下位竜の約10倍の魔力を持つ。上位竜の血液から生まれる。
成竜
経験を積み魔法が使えるようになった中位竜。生みの元である上位竜と同じ魔法が使用できるようになる。
下位竜
通常の竜。知性は獣並み。中位竜と同様、上位竜の血液から生まれる。

魔法関連

魔法
魔力によって世界に変化を起こす術のこと。発動させるためには魔力と方向性を与える術式が必要である。しかしウォルテカムイによるとこの他に、その変化を起こし制御できるという確信が必要とのこと。
魔法陣
魔法を使用する目的で描かれた、上位竜の血の流れを模した絵。その中心を上位竜の心臓に見立て、脈路を構成し魔力を循環させている。
魔法使い
魔法を使う者。魔法士とも。研究を重ね竜と同等の力を獲得することを使命とする。
蠢く木陰
ボルギウスが作り出した、下半分が竜化した大木を集めた森。根を動かすことで歩行し人間を捕らえ、街へ攻め込むことが可能。自律し上位竜の指示に従う。根は竜化しているため、銀剣で斬られると凍結する。枝と葉で日光を遮るため、その日陰では竜が活動できる。このため日が出ている時であっても人間への危害を加えることが可能。初出の際は「日が出ている間は竜に襲われない」という人間側の常識を覆した。
戦争編終盤でボルギウスの肉体再生の余波により凶暴化。根が竜の頭の形に変形し、ボルギウス以外の上位竜の指示を受け付けなくなった。
時操魔法(じそうまほう)
アルテマティアとプラチナティアラ号、カルラが使用する魔法。指定した対象の時間を止める、もしくは巻き戻すことができる。加えてその効力から特定範囲内の相手を除外することができ、アルテマティアが使用する場合は基本的に「翼の血族」を除外している。強力な魔法であるが時間を止めることと、時間を巻き戻すこととを同時に行うことはできない。
結界魔法
内部の生物に対し様々な干渉を行う結界を創り出す魔法。ネビュリムとネビュリムの成竜が使用する。いくつか種類があり、目的に合わせてそれぞれ使用される。ただし異なる結界を同時に使用することはできない。
霧散結界
結界内の生物の存在を希薄にし消失させる結界。王都全体を覆うことで、王都内の人間を少しずつ殺害することに使われた。
拘束結界
結界内の生物の行動を禁止する結界。ただし銀気闘法使用中のラグナに対しては多少動きを遅くする程度の効果しかない。
治癒結界
結界内の生物の自己治癒能力を極限まで高める結界。血族の成者を対象に使用した場合、致命傷でも10秒足らずで完治する。
守護結界
結界内の生物を結界外からの攻撃から保護する結界。作中ではネビュリムの成竜が使用。
守護結界改
アルテマティアをラグナの攻撃から守るために、ネビュリムが即席で創り出した守護結界。当時のネビュリムにとっては、考え得る限りの最強の防御手段だった。
空間魔法
主にクリムゾンが使用する、結界魔法の上位に位置する魔法。魔法の扉を介して別の空間に移動できる。
倉庫
旧文明の銃火器類を保管している空間。文字通り内面は武器庫の一室のように見える。作中ではディザス・トロワ戦の武器調達の際に登場。破壊された家屋の扉に対し、特殊な鍵を使うことで入退出することができる。
地球儀の間
世界各地へ繋がる転位の門がある空間魔法。世界中で活動するために、全盛期のクリムゾンが創り出した。作中ではアルテマティアを狩ることを諦めないラグナと、ラグナを殺すことを決めたネビュリムにより崩壊。
転位魔法
あらかじめ作成された魔法陣を中心に、周辺の人間や物品などを他の場所へ転送するための魔法。転位対象の選定も可能。作中では主にフーが作成した魔法陣が使われている。
薬物生成
オルト・ゾラが使用する魔法。「薬物の生成」とも言われている。術者の血液から薬物を生成し、霧状にして空中に散布する。生成される薬物は劇薬から催眠薬まで様々だが、日光の下では効果をすぐ失ってしまう。
オルト・ゾラが使用する場合は単に敵への毒としてではなく、味方への能力向上と催眠のための薬として使用される。この用途で薬物生成を使用することを、作中では「狂化」(きょうか)と表現されている。ただし過度に狂化された場合、時間の経過で肉体が崩壊してしまう。
魔力吸収魔法
「吸収魔法」とも。範囲内に存在する魔力を吸収する魔法。作中では竜の死体から魔力を吸収し、接続先の転位魔法陣の起動に利用する目的で使用。この他にもフーがウルシュガウルンに対して使用している。
轟震砲(ごうしんほう)
タラテクトラが使用する魔法。最大の魔力を渾身の正拳突きと共に放つ。作中では右腕を背中から生えた2本の肢と合体させ「三合腕」の状態で使用し、ラグナに深傷を負わせた。
破山砲(はざんほう)
タラテクトラが使用する魔法。大砲に変形させた腕で砲撃を行う。作中では背中に生えている1つの肢と腕を合体させた「二合腕」の状態で、追跡するラグナ達に6連射した。
溶解魔法
ウルシュガウルンが使用する、対象を溶かす魔法。作中ではスターリアが仕掛けた結界を破壊するために使用された。
捕食魔法
捕食のための魔法。自身の体には光学迷彩を施し音と匂いを消すことで隠密性を高め、空間に足場となる力場を作り、重力と空気抵抗を軽減して高速機動を行い、引力で捕食対象を引き寄せる。この優れた特徴が対象への奇襲を可能にするため、捕食対象が強力であっても回避は難しい。
ただし、捕食対象が察知している場合は設置型の罠や広範囲の攻撃、カウンターなどの手段で対抗されてしまう[10]。また、捕食を目的とした場合にのみ発動する魔法であるため、攻撃の回避や脱出などの手段としては使用できない[11]
刺殺魔法
魔力を流した対象を棘状に変形させる魔法。限定的であるがその攻撃範囲は最大で2300メートルほどで、殺傷能力は高い[12]。ドルニーアの魔法であったが、ドルニーア死亡時にフーが吸収。以降、彼の使用する魔法の一つになった。
作中では「ドルニーアのアレ」と呼ばれることがあったが、その名称は作者のツイートで判明した。
強化魔法
物体の硬度や炎の温度など、対象の数値(定量的要素)を上昇させる魔法[13]。グリュムウェルテが使用する。この魔法を受けた対象はその色が黒く帯びるため、グリュムウェルテの竜名の由来になっている[9]

技術・兵器

毒杯(どくはい)
クリムゾンが開発した薬品で、正式名称は「AI搭載型遺伝子破壊ナノマシン」。初出時は試験管の中に保管されていた。クリムゾンの説明によると、服用した者がクリムゾンに逆らうと激痛を味わい死に至る。作中ではクリムゾンが共闘の条件としてラグナに服用を迫るが、躊躇することなくラグナに飲み干された。
翼の血族との最終決戦前、ラグナがクリムゾンから離反する際に発動。軽い眩暈を起こしてラグナは倒れたが一時的なもので、何故かラグナは死ぬことはなかった。
陽気壁陣(ようきへきじん)
王都セレスビエラにある太陽神教の技術。太陽光を「陽気」として日中蓄え、夜間に放出する。これにより、日の光を苦手とする竜への結界として機能する。
また、王都中央にある塔の最先端から照射することで、「極光照射」として攻撃にも転用できる。
白色閃光手榴弾(びゃくしきせんこうしゅりゅうだん)
アルテマティアの時操魔法に対抗する目的で、クリムゾンが開発した特殊な手榴弾。発動すると蓄積していた太陽光を照射するが、竜相手に致命傷を与えるほどの威力は本来ない。作中では時操魔法での時間の静止を感知する調整が加えられたものが、プラチナティアラ号との戦いで使用された。
六爪対牙(ろくそうついが)
爪牙の王が創り出した、合計8本の魔剣の総称。
宙斬(そらぎり)
ウォルテカムイが所有する大剣で、作中では度々《爪》(ツメ)もしくは雷爪(らいそう)と呼ばれる。普段は柄が人の背丈ほどの長さで、黒く幅が広い刀身は同じく人の背丈ほどの長さ。かつては爪牙の血族が所有していたものだが、人間だった頃のウォルテカムイが所有者を殺害し強奪。
元々、所有者の能力に依って特徴が変わる剣。ウォルテカムイの手に渡ってからは雷と同等の速さで形状が変化する特徴を持つようになった。
銀彗星(ぎんすいせい)
後述する星の名前を冠した銀剣。ウォルテカムイの雷爪に対抗できる武具として、ラグナのためにスターリアが作成した。スターリアにとっては決して満足できる出来ではなかった。
剣の形をしているが、斬撃などの攻撃手段として使用されない。ラグナの背後で形状が展開され、ラグナの能力を向上させる効果を持つ。

国・都市・施設

レーゼ王国
物語開始時のラグナがいる、気候が穏やかな王国。君主制の国家で首都は王都セレスビエラ。太陽神教の教圏外の国で、魔法技術については後進国。
王都セレスビエラ
レーゼ王国の首都。通称「王都」。結界として「陽気壁陣」が使われており、夜であっても白く輝いている。
陽気壁陣の攻撃転用のための塔が建っている「王宮区」が中心。その周囲を「旧区画」が取り囲み、その外周を「第二城壁」が取り囲んでいる。さらにその外側を「商業エリア」、「工業エリア」、「学術・研究エリア」という3つのエリアで構成された「新区画」が囲む都市構成になっている。
「翼の血族」により征服されて以降は、彼らの計画により国民が都内に集結。ネビュリムの霧散結界により徐々に王都内の人々200万人が殺害されていた。その後クリムゾンの手で王都内の各所で爆破事件が起き、複数の死傷者が発生。最後にはオルト・ゾラの指揮の元、240万人が虐殺され、壊滅した。
ロナベーラ
レーゼ王国南部にある、国境に近い人口12万人の都市。ラグナとレオが狩竜人として活動していたが、「翼の血族」の2度にわたる襲撃により壊滅。サイクスの見積もりでは10万人以上が死亡。生き残った市民は難民として隣国ガーネスの都市プアルアザンに避難している。
ドナピエルー
有名なケーキ屋「銀のヒヨコ」がある、レーゼ王国の都市。20年近く竜による被害が全くなかったため、「狩竜人いらずの都市」と呼ばれていた。王国側では発表されていない事実であるが、20年前に隣国ガーネスが侵攻した際、突然現れた竜の雷によりガーネス軍が撃退されている。これは「銀のヒヨコ」が作る菓子を竜の神が気に入っていたので、ドナピエルーごと「翼の血族」によって保護されていたためであった。
しかし「銀のヒヨコ」が強盗に遭い潰れてしまったことで、竜の神がレーゼ王国を滅ぼすことを「翼の血族」に命令。アルテマティアの意図を無視し勝手に行動したウォルテカムイの雷と中位竜を含む竜の軍勢により壊滅した。
トルティエール
国境守備を担っていた、レーゼ王国東部の都市。アルテマティアの命令を受けたディザス・トロワによって壊滅。
軍事演習場
レーゼの北東部に位置する施設。軍事演習区とも。発掘された旧文明の地下施設が改修され、軍事施設として使用されている。
作中当初は銀装兵団が民間人1500人を連れて立て籠り、国外への転位のための拠点として使用された。
ガーネス
レーゼ王国の隣国。レーゼとは友好な関係ではない。過去にドナピエルーへの侵攻、ペレイロと密通するなどの事件を起こしている。
プアルアザン
ガーネスにある都市。ロナベーラが壊滅した後は、生き残ったロナベーラ市民の避難先となっている。
マルクト
レーゼ王国の隣国。ガーネスと同様、レーゼとは友好な関係ではない模様。
月面基地(ムーンベース)
クリムゾンが行動の拠点にしている基地。作中の舞台となっている惑星の衛星上に存在する。

組織・勢力

翼の血族
レーゼ王国内にいる竜の血族。血主および王はアルテマティア。神の命令によりレーゼ滅亡を試みる。
銀装兵団[注 1]
レーゼ軍特務部隊で団員は350人。狩竜人、軍人、傭兵、暗殺者、魔法士などの様々な出自の者で構成され、スターリアが製作した武具を装備している。初登場時はレーゼ北東部の軍事演習場に籠城しつつ、保護した一般人1500人と共に転位魔法を用いた国外への逃亡を計画。
元々は問題行動の多いスターリアが地方に飛ばされた後に、本人の趣味で組織された部隊。スターリアのカリスマ性と彼女の作る武具の評判から、国内外の逸材が集結。ドルニーアを討伐する程の戦力を得るようになった。
空中機動銃士隊
銀装兵団内の飛行部隊で、へゼラとグレアが所属。サーフボードのような乗り物にスターリアの能力で動力を与え、隊員が操縦する。戦闘時は上空からの偵察と制空権の確保を担う。
太陽神教
竜の血族と対抗できる人間側の勢力で、その魔法技術は他を圧倒する宗教団体。ただし滅竜の方向性についてはラグナとは異なるらしい。

その他

太陽暦
作中で使用される暦。
狩竜人(かりゅうど)
銀剣で竜を狩ることで生計を立てる職業と、その職業に就いている者のこと。ギルド制がある。
滅竜(めつりゅう)
竜を滅ぼすこと。本作におけるラグナの目標である。
銀気(ぎんき)
銀が持つ「」の一種で、凍力がある。この特徴を利用するために、狩竜人は銀剣で竜と戦う。
実は竜の体でなくとも魔力が流れている物であれば凍らせることができる。例えばディザス・トロワの竜巻は魔力で操られているため、銀弾もしくは銀気を込めた銃弾を竜巻に撃ち込むと、凍ってしまう。
ラグナとガルムに至っては、魔力によって生じた世界の変化(熱や衝撃、音など)や魔力そのものを銀剣で斬ることに成功している。
凍力(とうりょく)
銀気の質に相当する、魔力を凍らせる力。
魔力
世界を変化させる力の一種。もともと世界には存在しなかった。銀気によって凍る。
戦争編
本作における第23話から第39話までの内容。銀装兵団と翼の血族の間で発生した戦争の部のこと。
スターリアが率いる銀装兵団側は団員350名と民間人1500人にラグナとクリムゾン、悪いスライムが参加。国外脱出のための時間稼ぎと、脱出に使用する転移魔法発動の為の、魔力の調達が目標であった。
対する翼の血族側は下位竜9000体に中位竜1000体(内成竜はプラチナティアラ号を含め40体)、十三位階のウルシュガウルンが参戦。この合計1万ほどの軍勢を、戦争のプロである上位竜タラテクトラとオルト・ゾラが率いる。目標はスターリアの殺害。
上記の通り、圧倒的に兵団側に不利な戦況であった。しかしスターリアの指揮とラグナ及び兵団員の奮戦、クリムゾンの暗躍とオルト・ゾラの心の迷いなど様々な要因が重なり、翼の血族側が敗北した。
銀彗星
スターリアの説明によると、宇宙から飛来した銀で構成された星で、全ての銀の元となったとのこと。前述した銀剣の名前の由来となった。
世界魔法、大聖伐(だいせいばつ)
作中で登場した用語であるが、単行本11巻時点でその詳細が明らかにされていない。

  1. ^ a b 作中ではこの他に「銀装部隊」という表現がある。また単行本5巻のカバー裏表紙では「銀兵団」(「装」ではなく「総」)と記されている。誤植の可能性も否定できないが、本記事では一部を除いて「銀装兵団」で統一する。
  2. ^ 雑誌掲載時の名前は「ウルシュガルムン」。
  3. ^ 作者の説明では「一応ラグナとは別キャラ扱い」。本作ではこのような名前で呼ばれていないが、本記事では便宜上「未来のラグナ」で統一して説明する。
  4. ^ 初回のみ、1:00 - 2:00に放送。
  5. ^ 初回のみ、2:38 - 3:38に放送。





英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  ラグナクリムゾンのページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ラグナクリムゾン」の関連用語

ラグナクリムゾンのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ラグナクリムゾンのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのラグナクリムゾン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS