バラモン教
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/26 21:52 UTC 版)
概要
バラモン教にインドの各種の民族宗教・民間信仰が加えられて、徐々に様々な人の手によって再構成されたのが現在のヒンドゥー教である。ただし、ヒンドゥー教という言葉には、バラモン教を含む考えもある。ヒンドゥー教は、広義ではインドにあり、また、かつてあったもの一切が含まれていて、インドの歴史では先史文明のインダス文明まで遡るものであるが[2]、アーリア民族のインド定住以後、現代まで連続するインド的伝統を指す[2]。
イギリス人は、このうち仏教以前に存在したバラモン中心の宗教をバラモン教(Brahmanism、ブラフミンの宗教)、バラモン教のヴェーダ時代の宗教思想をヴェーダの宗教(ヴェーダ教)と呼んでいる[2]。なお、ヒンドゥー教(英: Hinduism)という名前もヨーロッパ人によって付けられた名前である[3]。
バラモンとは司祭階級のこと。正しくはブラーフマナというが、音訳された漢語「婆羅門」の音読みから日本ではバラモンということが多い。バラモンは祭祀を通じて神々と関わる特別な権限を持ち、宇宙の根本原理ブラフマンに近い存在とされ敬われる。
最高神は一定しておらず、儀式ごとにその崇拝の対象となる神を最高神の位置に置く。
階級制度である四姓制を持つ。司祭階級バラモンが最上位で、クシャトリヤ(戦士・王族階級)、ヴァイシャ(庶民階級)、シュードラ(奴隷階級)によりなる。また、これらのカーストに収まらない人々はそれ以下の階級パンチャマ(不可触賤民)とされた。カーストの移動は不可能で、異なるカースト間の結婚はできない。
- ^ a b 「バラモン教」 - 世界大百科事典 第2版、平凡社。
- ^ a b c 川崎信定著 『インドの思想』 放送大学教育振興会、1997年
- ^ “Hinduism”. www.britannica.com. Britannica. 2020年11月30日閲覧。
- ^ “何者もこの輪廻から逃れることはできない。それは車が庭を巡るがごとし”. www.christiantoday.co.jp. www.christian today. 2020年11月30日閲覧。
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