ニンジン 薬用

ニンジン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/29 17:00 UTC 版)

薬用

薬用とする部位は根で、日本では人参(にんじん)と称している[6]。消化不良・下痢・咳に薬効があり、生で1日約30グラム (g) を煮て食べたり、生食やジュースにしてもよいとされる[6]。体質に関係なく利用でき、慢性の下痢や少し食べるとお腹が張る人によいと言われている[22]。β-カロテンは、体内でビタミンAに変わり、免疫力を高め、活性酸素を抑制する抗酸化作用があり、などの生活習慣病の予防に欠かせない成分である[13][26]。また粘膜を正常にする働きがあり、皮膚や口、目、消化管などの表面を健康に保つ作用がある[13][26]。金時にんじんなどに含まれる赤い色素リコペンも、抗酸化力を持っている[26]

民間療法で、口内炎扁桃炎などの炎症には、生の茎葉を細かく刻んで、1日量30グラムを水600 ccで半量になるまで煮詰めて、さました煮汁でうがいをすると効果があるといわれている[9]。冷え性には、生の茎葉または干した茎葉を浴湯料にして、布袋に入れて風呂に入れると、葉に含まれる精油成分が作用して、保温の効果がある[9]

このほか、ニンジンはGI値(グリミック・インデックス)が高いので、糖尿病の人は食べない方がよいという説もあるが、膨大な量のニンジンを食べなければ血糖値が上がることはなく、非現実的な説で実際には誤解であり、ニンジンの豊富な栄養素を摂取することの方が生活習慣病の改善のためにはメリットがある[26]


  1. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Daucus carota L.”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2012年8月12日閲覧。
  2. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Daucus carota L. subsp. sativus (Hoffm.) Arcang. ニンジン(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年4月29日閲覧。
  3. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Daucus carota L. ニンジン(広義)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年4月29日閲覧。
  4. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Daucus carota L. var. sativus Hoffm. ニンジン(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年4月29日閲覧。
  5. ^ a b c d e 金子美登 2012, p. 210.
  6. ^ a b c d 貝津好孝 1995, p. 55.
  7. ^ 簡体字で「胡萝卜」
  8. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 講談社編 2013, p. 152.
  9. ^ a b c d e f g h i j k 田中孝治 1995, p. 203.
  10. ^ a b 田中孝治 1995, p. 202.
  11. ^ 大場秀章(編著)『植物分類表』(第2刷)アボック社、2010年。ISBN 978-4-900358-61-4 
  12. ^ 米倉浩司『高等植物分類表』(重版)北隆館、2010年。ISBN 978-4-8326-0838-2 
  13. ^ a b c d e f g h i j k 主婦の友社編 2011, p. 68.
  14. ^ a b c d e f 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編 2012, p. 120.
  15. ^ a b c d e f g h 主婦の友社編 2011, p. 72.
  16. ^ a b c d e f 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編 2012, p. 243.
  17. ^ a b c d e 主婦の友社編 2011, p. 73.
  18. ^ a b c d e f 金子美登 2012, p. 211.
  19. ^ a b c d e f g h i j k l m 主婦の友社編 2011, p. 69.
  20. ^ a b c d e f g h i j 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編 2012, p. 121.
  21. ^ a b 金子美登 2012, p. 212.
  22. ^ a b 田中孝治 1995, p. 55.
  23. ^ a b c d e 金子美登 2012, p. 213.
  24. ^ a b 文部科学省 「日本食品標準成分表2015年版(七訂)
  25. ^ 厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2015年版)
  26. ^ a b c d e f g h i j k l m 講談社編 2013, p. 153.
  27. ^ 「野菜350g」は本当にカラダにいいの…?食生活のウソホント”. FRIDAYデジタル (2020年7月16日). 2020年11月27日閲覧。
  28. ^ http://www.hoku-iryo-u.ac.jp/~maruho/2-4nabezairyou4.htm
  29. ^ 落合敏監修 編『食べ物と健康おもしろ雑学』梧桐書院、1991年、22頁。ISBN 4340020095 
  30. ^ 人参を電子レンジで加熱したらスパークした。:名古屋市消費生活センター情報ナビ”. 2016年2月9日閲覧。
  31. ^ (馬の用語事典)
  32. ^ 猫は本当に魚好き? アノ動物と好物の関係のウソ・ホント - ウェイバックマシン(2010年12月1日アーカイブ分)






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