テッサー マクロ・テッサー

テッサー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/27 16:58 UTC 版)

マクロ・テッサー

カール・ツァイス・イェーナ製。

  • マクロ・テッサー135mmF4.5 - φ44mmP=0.75mmねじマウント。アタッチメントサイズφ40.5mmねじこみ。小さいレンズだが、16枚完全真円絞り。非常にシャープな描写で色収差も目視では判別できない。

S-テッサー

接写用に開発された物や産業用のレンズなどであり、フィルム使用の複写用、マイクロフィルム製作用、通常の接写用、画像投影用などの品目がある。ドイツが東西に分かれている時に、東ドイツのカール・ツアイス・イエーナで製造された物と、西側のオーバーコッヘンにて制作された物がある。 S-テッサー の「S」はドイツ語の「Sonder」(英:Special )に由来する。民生用の物は後にレンズ・コーティング技術の向上により、大口径化のしやすいS-プラナー後のマクロプラナーに置き換えられていった。

  • S-テッサー120mmF6.3 - φ33mm/P=0.5ねじマウント。アタッチメントや、ウォーターハウス型絞りスロットがないのでフィルターは自作でかぶせ式タイプを作り対応するしかない。東ドイツのイエーナ製。約3cm×3cmほどの小さなレンズだが、18枚完全真円光彩絞りである。レンズの前後に同じねじが切られているため、レンズを撮影倍率に応じて逆付け(超接写用リバース・プッティング)することが可能である。初期型はモノコート・レンズだが、後期型はTコートがレンズに施されている。光学系第1面のレンズは経年変化しやすく、曇りが生じた場合、多くのアポテッサーとは異なりアルコールでは取れないが、自己責任にはなるもののプラスチック消しゴムで除去可能。すでにφ33mmの取り付け座金など入手できないが、Tマウントアダプターの中身を抜いて、四方からねじ止めすればどのカメラでも利用できるようになる。非常にシャープな描写で色収差も目視では判別できない。
  • S-テッサー150mmF4.5 - φ42mmの寸胴鏡筒のみでなるレンズ。西ドイツのオーバーコッヘン製。バルク・レンズであり絞り機構を持たず、マウントねじもアタッチメントねじも何もない。また、S-テッサー300mmF5.6 の様に前群と後群を外して円形絞りを入れることも出来ない。真の特殊レンズである。3点支持で取り付けられるプロジェクター(投影)用のレンズ。
  • S-テッサー300mmF5.6 - φ78mmP=0.75ねじマウント。アタッチメントなし。西ドイツのオーバーコッヘン製。バルク・レンズだが絞り機構を持たず、レンズの光学系も前後に分けて外部シャッターなどに組み込めないため、民生用としては望遠鏡の先端レンズとしての活躍など限られている。一部ではプロジェクター用のレンズと言われているがこれは誤りであり、元来は8×10in判の大型フィルムへの複写用に設計されたレンズである。φ78mmP=0.75ねじマウントが有るのでジナーボードなどに取り付けることが出来る。このレンズは常に開放絞りのままだが、その描写はきわめて鋭くボケも良いが、イメージサークルは大きくないので8×10in判のフィルム以上のフィルムでは、撮影すると四隅の画質が明らかに画質が劣る。絞り開放で最高性能が出る設計と謳われているが、前群と後群を外して円形絞りを入れることができる。開口部から割り出した直径の穴を開けたボードを撮影時にレンズに直接取り付けても撮影でき、絞り開放で若干残存していた諸収差、特に倍率色収差などがF11近辺でほとんどなくなり実用上最高レベルの画質になる。画素ピッチの細かい最近のデジカメを利用して撮影するときはF16からは回折現象が強く現れ、解像力が急落する。

無印・テッサー

  • テッサー100mmF3.5
  • テッサー135mmF4.5 - ヴィンテージ・レンズに属する古い物で、現存する個体も多くない。
  • テッサー165mmF4.5
  • テッサー210mmF4.5 - φ62mmねじマウント。アタッチメントサイズφ67mmねじ込み式。絞りは16枚真円絞り。カール・ツァイス・イェーナDDRのみ刻印がある物も多数存在する。
  • テッサー250mmF4.5
  • テレテッサー250mmF6.3
  • テレテッサー320mmF6.3

関わった設計者


注釈

  1. ^ 『ツァイス・イコン物語』p.92はギリシア語の4をTessarosとしている。

出典

  1. ^ a b 『ツァイス・イコン物語』p.92。
  2. ^ a b c d e f g 『クラシックカメラ専科』p.192。
  3. ^ a b 『カール・ツァイス創業・分断・統合の歴史』p.106。
  4. ^ a b c d e f 『季刊クラシックカメラNo.5ツァイス』p.016。
  5. ^ a b c d e 『クラシックカメラ専科』p.190。
  6. ^ トリプレットが英国発祥のため、ドイツ人としては認めたくない、という事情がある。
  7. ^ 『国産カメラ開発物語』p.23。
  8. ^ a b c d 『クラシックカメラ専科』p.111。
  9. ^ 『クラシックカメラ専科』p.50。
  10. ^ 『カール・ツァイス創業・分断・統合の歴史』p.171。
  11. ^ 『クラシックカメラ専科』p.81。
  12. ^ a b 『カール・ツァイス創業・分断・統合の歴史』p.109。
  13. ^ 『クラシックカメラ専科No.23、名レンズを探せ!トプコン35mmレンズシャッター一眼レフの系譜』p.67。


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