ダフネトキシン ダフネトキシンの概要

ダフネトキシン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/07/09 03:16 UTC 版)

ダフネトキシン
識別情報
CAS登録番号 28164-88-7
PubChem 442018
日化辞番号 J17.134D
特性
化学式 C27H30O8
モル質量 482.52 g mol−1
外観 固体
融点

194 - 196 °C[1]

危険性
半数致死量 LD50 0.3 mg·kg−1(マウス、経口)[1]
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

1970年ジンチョウゲ属Daphne)の植物から単離・構造決定された[2]

分布

ダフネトキシンは様々なジンチョウゲ属植物の主に皮に含まれており、種にも少量が含まれている。化合物名はこの植物の学名に由来する(Daphne + toxin〔毒〕)。セイヨウオニシバリ Daphne mezereum の種にはダフネトキシンが約0.02%含まれている。

生物学的重要性

ダフネトキシンおよび化学的に類縁のメゼレインが含まれることから、ジンチョウゲ属植物の種子、皮あるいはその他の部位は高い毒性を有している。毒物はヒトの皮膚から吸収される可能性がある。さらに、これらの毒物によって重度の炎症が引き起こされると、腎臓や循環器系、中枢神経系に重大な損傷を与える。

ツグミセキレイといった鳥はダフネトキシンに対して免疫を持っていると考えられている。ダフネトキシンはメゼレインと同様にプロテインキナーゼC活性化剤である[3]

メゼレインの構造

脚注


  1. ^ a b Römpp CD 2006, Georg Thieme Verlag 2006.
  2. ^ Stout, G. H.; Balkenhol, W. J.; Poling, M.; Hickernell, G. L. (1970). “Isolation and structure of daphnetoxin, the poisonous principle of Daphne species”. J. Am. Chem. Soc. 92 (4): 1070–1071. doi:10.1021/ja00707a058. 
  3. ^ Saraiva, L.; Fresco, P.; Pinto, E.; Portugal, H.; Gonçalves, J. (2001). “Differential Activation by Daphnetoxin and Mezerein of PKC-Isotypes α, βI, δ and ζ”. Planta Med. 67 (9): 787-790. doi:10.1055/s-2001-18843. 


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