エノキグサ 類似種など

エノキグサ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/16 16:21 UTC 版)

類似種など

本種の属するエノキグサ属は熱帯を中心に400種ほどがあり、中にはベニヒモノキ(A. hispida)など観賞用に栽培されるものもあるが、日本には本種の他にはキダチアミガサソウ(A. indica)が琉球列島の大東島に知られるだけである。これは高さ50-70cmほどになるもので、花序の基部の苞葉がより多くて7枚までつき、また茎の株は木質化する。この種については初島(1975)などは在来種のように扱っているが、大橋他編(2016)は帰化種扱いしている様子である[注釈 2]。またもう1種ヒメキダチアミガサソウ(A. gracilens)が近年帰化種として千葉で記録されており、この種は花序の柄が短くて基部の苞葉が密集して着いている[10]

なお、葉の細いものを変種のホソバエノキグサ(var. lanceolata)として区別し、四国と台湾に分布する[9]とする説もあるが、北村、村田(1994)や大橋他編(2016)はこれを取り上げておらず、YListもこれを取り上げていない。代わりに北村、村田(1994)は開出毛の多いものを品種として区別してビロウドエノキグサ(form. velutina)とする説を取り上げている[11]が、大橋他編(2016)はこれも取り上げていない。

利害

ごくありふれた植物でよく繁茂する雑草であるが、それ以上の害も利益も聞かない。

脚注

参考文献

  • 大橋広好他編、『改定新版 日本の野生植物 3:バラ科~センダン科』、(2016)、平凡社
  • 佐竹義輔他編、『日本の野生植物 木本I』、(1989)、平凡社
  • 牧野富太郎原著、『新分類 牧野日本植物図鑑』、(2017)、北隆館
  • 長田武正、『検索入門 野草図鑑 ⑦ さくらそうの巻』、(1985)、保育社
  • 初島住彦 『琉球植物誌』追加・訂正版、(1975)、 沖縄生物教育研究会

注釈

  1. ^ ちなみにそのためか佐竹他編(1982)では本種の葉の特徴に関しては「長楕円形~広披針形」と「茎に互生」の他には具体的な細部の形質に一切触れずに「エノキの葉に似て」とやってしまっているのはあまりに乱暴な措置である。ちなみに後継の大橋他編(2016)では「エノキの葉を思わせる形状」という言葉の後にずっと丁寧な記載がある。
  2. ^ 明言はしていないが単独の種の項を立てず、本種の記事の中に触れてあり、熱帯地域の「雑草」であると述べてあるのはそれを匂わせていると思える。

出典

  1. ^ 以下、佐竹他編(1982),p.229
  2. ^ a b 大橋他編(2016),p.148
  3. ^ 以下、葉の特徴については初島(1975),p.366
  4. ^ 初島(1975),p.366
  5. ^ 長田(1985),p.169
  6. ^ a b 長田(1985),p.168
  7. ^ 牧野原著(2017),p.733
  8. ^ 佐竹他編(1989),p.80
  9. ^ a b c 佐竹他編(1982),p.229
  10. ^ 以上、大橋他編(2016),p.148
  11. ^ 北村、村田(1994),p.77


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