イヴァリース イヴァリースの概要

イヴァリース

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/26 03:40 UTC 版)

概要

ゲームソフトのシナリオライティングの手法として、架空の歴史と舞台設定から物語を切り取る戦記物の形式を好む松野泰己がスクウェアに移籍した際に中心となって製作された。各時代間で大きく文明が異なるため、実際はゲーム本編のシナリオで共通する名前が登場する程度の繋がりしか明示されていないが、ゲーム内の読み物による断片的な情報から、永野護の『ファイブスター物語』のようにプレーヤー側による「補完」によって楽しめる世界になっている。名前の由来は「イギリス」からである。

舞台設定

複数の亜人種が居住するファンタジー世界の一部の地域「イヴァリース」を指す。黄道十二星座をモデルにした悪魔(ルカヴィ)など独特な設定を持つが、一部他のFFシリーズからの名称も登場する(同名異物)。また「イヴァリース」という単語は登場しないが、『ベイグラントストーリー』では舞台や物語の鍵となる用語などが『FFXII』と共通点が多く、『FFT』のキャラクターに出自を持つアイテムが多数存在する。しかし、Twitterにおいて松野泰己による「ベイグラはそもそもイヴァリースの世界ではない。ただ、いくつか入れたお遊び(アグリアスの口紅等)のせいでプレイヤーさんがイヴァリースだと考え、更に、FF12のプロモーション(海外向け)の都合で一緒にしちゃえという話になり仲間入り」という発言があることから、本来の構想では含まれていなかったと考えられる。

それ以外にも、『FFT』にはクラウド(『FFVII』)、移植版の『FFT獅子戦争』にはバルフレア(『FFXII』)と、発売当時のナンバリング最新作の主要な登場人物がゲスト出演している。

各作品におけるイヴァリース

ファイナルファンタジータクティクス
北西に海を挟みロマンダ王国(呂国)、東に陸続きのオルダリーア国(鴎国)と国境を接するイヴァリース王国(畏国)を指す。
人間以外の種族は登場せず、魔法は存在するものの、飛空艇などの高度な魔法文明は「大崩壊」によって失われている。グレバドス教会による異端審問が行われるなど、中世ヨーロッパのような時代設定である。
ファイナルファンタジータクティクスアドバンス
主人公たちの住む町、St.イヴァリースおよび異世界イヴァリース(イヴァリース王国)を指す。St.イヴァリースは、自動車が走る近代的な世界の町で、主人公たちが見つけた「グラン・グリモア」と呼ばれる魔導書により、異世界イヴァリースに変貌する。
異世界イヴァリースは、主人公たちがプレイしていたゲームソフト『ファイナルファンタジー(XIIという設定)』の影響を強く受けていて、モーグリ族、ヴィエラ族、バンガ族などの亜人種や魔法が存在する。
ファイナルファンタジーXII / ファイナルファンタジーXII レヴァナント・ウイング
バレンディア大陸、オーダリア大陸、ケルオン大陸を含む地域を指す。人間(ヒュム族)以外に、モーグリ族、ヴィエラ族、バンガ族などのさまざまな亜人種が存在し、飛空艇や高層建築など、魔力を持つ石「魔石」を用いた高度な文明が発達している。
ファイナルファンタジータクティクスA2
FFXIIRW』の数年後の世界。『FFT』に記述されていたモーグリ族が住む機工都市ゴーグが登場し、オーダリア大陸西端・ロアル大陸東端の地域一帯はユトランドと呼ばれている。ユトランドでは数百年前からロウが存在し、『FFXII』の地域とは飛行艇を通じて盛んに交流・交易が行われている。両地域の間にはロザリア帝国があり、西がユトランド・東が『FFXII』の地域となる。今作でゴーグの位置が判明したため『FFXII』・『FFTA2』の地図を組み合わせると、『FFT』の地図との位置関係が確認できるようになった。
クリスタル ガーディアンズクリスタル・ディフェンダーズ)』もジョブキャラクターや地名に共通点がある。

歴史

神の時代
「不滅なる者」と呼ばれるオキューリア族が地上を支配していた。
↓数千年後
メレンカンプの時代
魔導師メレンカンプが呪文書「グリモア」魔都「レアモンデ」を作る。
↓?(約2000年後『ベイグラントストーリー』の時代、ガルテア連邦時代の前後どちらかかは未確定)
ガルテア連邦時代
レイスウォールがイヴァリースを統一し、ガルテア連邦を樹立する。
↓704年後
ファイナルファンタジーXIIの時代
アルケイディア帝国がナブラディア王国に侵攻する。ダルマスカ王国は帝国の支配下へ。
↓2年後
ヴァンとアーシェ一行が祖国解放の手掛かりを求める旅へ。その成果により、ダルマスカ王国復興。
↓1年後
ファイナルファンタジーXII レヴァナント・ウイングの時代
空賊となったヴァンが「グレバドスの秘宝」を求め、空に旅立つ。
↓数年後
ファイナルファンタジータクティクスA2の時代
『FFTA』の現代からルッソが迷い込む。成長したヴァンとパンネロが世界中を巡り有名な空賊となっている。
↓数十年後
聖アジョラの時代
アジョラが新しい宗教を興す。
↓約1200年後
ファイナルファンタジータクティクスの時代
黒獅子を紋章とするゴルターナ公と、白獅子を紋章とするラーグ公による「獅子戦争」が勃発する。
↓400年後
アラズラムの時代
アラズラム・J・デュライが『FFT』の物語「ブレイブストーリー」を執筆する。
↓?
ベイグラントストーリーの時代
シドニー・ロスタロットが公爵邸を占拠し、人質を盾に法王の退陣と仲間の釈放を要求する。
↓?
ファイナルファンタジータクティクスアドバンスの時代
魔導書「グラン・グリモア」により、St.イヴァリースが『FFXII』を元にした異世界イヴァリースに変貌する。
↓十数年後
ファイナルファンタジータクティクスA2の元の時代
ルッソが図書館に安置されている「グリモア」を開き、『FFXII』の時代に飛ばされる。



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