イスパニョーラ島 地理

イスパニョーラ島

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/21 04:34 UTC 版)

地理

Lac Peligre, ハイチ

イスパニョーラ島には5つの大きな山脈が走る。中央山脈(ドミニカ共和国ではCordillera Central コルディジェーラ・セントラルと呼ばれる)が島の中央を北西から南東方向に伸び、ドミニカ共和国側の南海岸からハイチの北西部(Massif du Nord マッシフ・デュ・ノール、北部山塊)に至る。この山脈には、島の最高峰で大アンティル諸島の最高峰でもあるピコ・ドゥアルテ(Pico Duarte、3,087m)がある。中央山脈の北に並行して、セプテントリオナル山脈(Cordillera Septentrional コルディジェーラ・セプテントリオナル、北部山脈)が、東のサマナ半島(Samaná Peninsula)からドミニカ共和国の北海岸を走る。その最高峰はピコ・ディエゴ・デ・オカンポ(Pico Diego de Ocampo)である。中央山脈とセプテントリオナル山脈の間はドミニカ共和国側はシバオ・バレー(Cibao Valley)と大西洋海岸平野、ハイチ側では北部平野となっており、両国の農業地帯になっている。ドミニカ共和国の南東部にはより低い山脈、オリエンタル山脈(Cordillera Oriental コルディレラ・オリエンタル)が走る。

シエラ・デ・ネイバ(Sierra de Neiba)は中央山脈の南にあり、ドミニカ共和国南西から北西方向に伸び、ハイチ中部に至りゴナイーブ湾に出る(ハイチではノワール山地 Montagnes Noires、Chaîne des Matheux、Montagnes du Trou d'Eau などになる)。

南部山脈はドミニカ共和国最南端のシエラ・デ・バオルコ(Sierra de Bahoruco)に始まり、ハイチのセル山地(Massif de la Selle)とオット山地(Massif de la Hotte)になりハイチ南部の細長い半島・チビュロン半島を形成する。この山地にあるラ・セル山(Pic de la Selle)がハイチの最高峰(2,680m)になる。南部山脈とシエラ・デ・ネイバの間は低地であり、ハイチではクルドサック平野(Cul-de-Sac)と呼ばれ、その西端にハイチの首都ポルトープランスはある。この低地には塩水湖が連なり、ハイチのソーマトル湖(Saumatre)、ドミニカ共和国のエンリキーヨ湖(Enriquillo)が代表的である。

イスパニョーラ島は、南のカリブプレートと北にある北アメリカプレートが接する沈み込み帯の上にある。カリブ海プレートは北アメリカプレートに対して年に20mmずつ東へ動いており、イスパニョーラ島に東西の横ずれ断層を作り出している。ハイチ北部にはセプテントリオナル断層(Septentrional fault)が、ハイチ南部にはエンキリーヨ=プランテイン・ガーデン断層(Enriquillo-Plaintain Garden fault)がある。2010年1月のハイチ地震を起こしたのはエンキリーヨ=プランテイン・ガーデン断層で[2][3][4][5]、250年間地震の記録がなく歪みが蓄積していた[6][7]


  1. ^ Haiti & The Dominican Republic IMF population estimates.
  2. ^ 「プレート衝突で大地震がくる」…米国学者の警告が現実に 中央日報
  3. ^ USGS Centroid Moment Tensor Solution アメリカ地質調査所
  4. ^ 遠地実体波によるモーメント解 アメリカ地質調査所
  5. ^ NGY地震学ノート No.24 名古屋大学地震火山・防災研究センター
  6. ^ ハイチの地震、専門家が事前に警告 2010年1月14日付 読売新聞
  7. ^ 2010年1月13日 ハイチの地震 東京大学地震研究所 2010年1月14日閲覧






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