アレクサンドル・ビュコック 人柄

アレクサンドル・ビュコック

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/08 15:51 UTC 版)

人柄

叩き上げの硬骨漢らしく、周囲からは「おっかない親父さん」と見られているが、ヤンが頭角をあらわしてからは好々爺として接する事が多い[1]。ヤン艦隊の面々はおおむね親しみを感じていたようであり、訃報が届いた際には彼ららしからぬほどに揃って意気消沈していた[15]

広い視野と客観的な思考を備えており、ヤン艦隊のメンバーに勝るとも劣らぬ毒舌ぶりを示す事がある。ただし、ヤンと違ってあくまでも軍人としての視点から物事を捉える傾向がある。しかしあくまで「民主体制下の軍人」である事に誇りを持っており、副官のファイフェルが軍国主義的な発言をした際、それをたしなめる場面も見られ、軍国主義者とは対極的な立場にある[11]

マル・アデッタ星域会戦で降伏を勧告された際、清廉な態度で民主主義に殉じた姿を見届けたラインハルトは、戦場を後にする際に全軍に敬礼を命じている[10]。また、後に同盟元首ジョアン・レベロを殺害して降伏してきたロックウェル等一部の軍人達の腐臭漂う言動との違いを見てビュコックを「新雪」と表現し、白ワインを撒いて改めて弔った[12]

先述どおり、ヤン・ウェンリーのよき理解者であり、有力な協力者でもあった。ヤンにとっても彼は、恩師であるシドニー・シトレと並んで最も敬愛する上官で、全幅の信頼を寄せる相手であった。救国軍事会議のクーデターを予見した際も、ビュコックに対処への協力を要請している[16](もっとも元々憲兵的な仕事は苦手であり、結果的には腐敗した組織内で孤立していた彼1人の手には余り、事態を未然に防ぐ事はできなかった[17])。さらには、クーデターが生じた場合には鎮圧すべし、という命令書を事前に出しておいてくれるよう頼み込み、クーデター時の鎮圧行動に正当性を得ている[16]

マル・アデッタにおける彼の最後の奮戦は、期せずしてヤンのイゼルローン要塞再奪取への側面援護ともなったが、同盟を離脱したヤンはビュコックの現役復帰を知らず、全てが終わった後に悲報を聞いて痛惜する結果となった。後世の歴史家には、もしヤンが事前にこの事を知っていたならば「生涯ではじめて、勝算なき戦いに身を投じることとなったであろう」と言われている[18]

藤崎竜の漫画版では、喫煙者でパイプを咥えながら作戦指揮をするシーンが描かれている[19]

ノイエ版では、アムリッツァ星域会戦における第13艦隊との巧妙な連携プレー[20]や、ヤンが(ラインハルトが同盟に対してしたような)対帝国謀略を発想していたことを見抜く[21]など、ヤンとの親交や理解の存在を示す描写が追加されている。


  1. ^ a b c 本伝, 1巻5章.
  2. ^ 外伝, 4巻3章.
  3. ^ 外伝, 4巻4章.
  4. ^ 外伝, 3巻1章.
  5. ^ a b 外伝, 1巻1章.
  6. ^ 本伝, 1巻7章.
  7. ^ 本伝, 1巻10章.
  8. ^ 本伝, 5巻4章.
  9. ^ 本伝, 7巻2章.
  10. ^ a b c d 本伝, 7巻6章.
  11. ^ a b c 本伝, 5巻1章.
  12. ^ a b 本伝, 7巻7章.
  13. ^ 外伝, 1巻10章.
  14. ^ 本伝, 3巻8章.
  15. ^ 本伝, 7巻8章.
  16. ^ a b 本伝, 2巻1章.
  17. ^ 本伝, 2巻3章.
  18. ^ 本伝, 7巻4章.
  19. ^ 藤崎版, 第34話.
  20. ^ DNT, 13話.
  21. ^ DNT, 15話.
  22. ^ 本伝, 3巻6章.
  23. ^ @gineidenanime (2018年3月16日). "【TOKYO MX放送開始まであと20日】本日の解禁はアレクサンドル・ビュコックです。演じるのは石原凡さん!明日の解禁はシドニー・シトレです、お楽しみに!". X(旧Twitter)より。 {{cite web}}: Cite webテンプレートでは|access-date=引数が必須です。 (説明)


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