うたわれるもの
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世界観
文化
科学技術水準は「古代」における産業革命以前の様相を呈しており、機械技術と呼べるレベルのものは作中に登場する最先進國でも存在しない。蒸気機関もいまだ開発されておらず、原始的なカラクリがちらほら見える程度。作中に登場する主な移動手段は、陸路では徒歩またはウォプタル(「ウマ」と呼ばれる二足歩行トカゲ)に直接搭乗するか、あるいは荷車や馬車を牽かせるなどである。作中に登場する中で有効な集団攻撃手段となりうる「法術」の使用と「飛行」が可能である唯一の種族、オンカミヤリュー、および國家であるオンカミヤムカイは、自分達を厳しい戒律で縛り、道を外れるものと法術技術の流出を防いでいる。そのためこの世界での戦争行為は、短期間で戦局を左右する方法が存在しないため、血で血を洗う戦國時代の真っ只中である。
地方によっては奴隷制があり、基本的に國の法は國、ひいては國の皇が自由に決定している。トゥスクルやカルラゥアツゥレイのように、圧政や虐待に耐えかねた民や奴隷が反乱を起こし、そのまま皇を討ち新たな皇を立てて國を興す事例も発生しており、結果的にいつまでも戦乱が終わらない連鎖が続いている。「オンカミヤムカイ」は國家間調停者として、ウィツァルネミテア信仰を足がかりに國師(ヨモル)を各國に派遣し、同盟を組ませるなど無益な争いを未然に防ぐよう働きかけている。
宗教
作中に登場する宗教には、ウィツァルネミテア信仰とオンヴィタイカヤン信仰の2つが登場しており、大半はウィツァルネミテアを信仰している。また、これら2つの信仰が崇める神はそれぞれ対立しているため、数や勢力で劣るオンヴィタイカヤン信仰は冷遇される傾向にある。ウィツァルネミテアを信仰しているオンカミヤムカイは「調停者」を自負しており、教えを広めるだけでなく、國や部族間の仲介をし当事者同士を結びつける役目を自らに課している。
両者とも神話自体は共通しており、「オンヴィタイカヤンがヒトを創造し、そのヒト達をウィツァルネミテアが解放した」と語られている。
種族
作中には動物の耳、尻尾などが生えている「亜人間」たちが登場する。登場人物はハクオロ以外すべて亜人間であり[1]、彼らを中心としてストーリーが進むことになる。彼らは種族ごとに外見または能力的に特徴があり、基本的には種族ごとに集落、國を形成している。また彼らは火神・水神・土神・風神(ヒムカミ・クスカミ・テヌカミ・フムカミ)と呼ばれる「神」を1人1柱ずつ宿している。母性遺伝がかなり強いようである。「我らの血は母親から受け継ぐものだろう」というセリフや、耳の外見が違う異母兄妹が登場するように、耳や尻尾などの特徴は母系遺伝である。ただし女性に優秀な男性と子を成し、その血を受け継がせることを務めとしている種族も存在することから、父性遺伝子も機能していることが分かる。
以下に代表的な種族を列挙する。
- オンカミヤリュー族
- 登場人物ではウルトリィ、カミュなどが該当する、天使の如き翼を持つ種族。他種に見られる獣耳と尻尾はない。特殊な祈りと呼吸・発声法を組み合わせた詩を唄うことにより、物体転移などの奇跡のような現象を引き起こす「法術」と呼ばれる術に長けている。
- 大神「ウィツァルネミテア」を信仰する者たちの総本山である宗教國「オンカミヤムカイ」を統べ、他の國家間の争いを早期終結させるための緩衝材としての「調停者」の役割を果たしている。大量殺戮兵器の登場しない(「浄化の炎」を除く)世界において唯一それに匹敵する力を操る種族で、術者達は厳しい戒律と信仰で道を外れる者がないよう教育されるが、中には破戒僧もおり、アンクァム(傭兵)となってしまう者や、戒律が嫌だという理由で出奔した上、法術を悪用している後述のノポンなどもいる。
- ギリヤギナ族
- 登場人物ではカルラ、デリホウライらが該当する、戦闘に特化した肉体を持つ種族で、虎のような耳に、尻尾が特徴。それゆえにどんなに飲み食いしても体形が変化せず、総じて戦闘に向いた引き締まった体格に落ち着く。腕力・膂力などの基本運動能力が他の種族より飛びぬけており、体術の型や技を必要としないスタイルをとる。かつては強國「ラルマニオヌ」を治めていたが、強さに奢ったためかシャクコポル族に反乱を起こされ滅亡し、奴隷へと身をやつした。
- エヴェンクルガ族
- 登場人物ではトウカ、ゲンジマルが該当する、高地に住む少数民族で、猛禽類の翼に似た耳が特徴。卓越した肉体的・精神的強靭さと「義」を貫くためなら死をも厭わない清廉さにより他の種族から畏敬の念を抱かれていて、「義はエヴェンクルガにあり」とまで言われる。
- 自らの眼で自分たちが仕えるにふさわしい主を選び付き従う。戦の際にはその存在が戦場の士気にかかわるほどであり、自軍にエヴェンクルガ族がいるということは大義は自分たちにあるという証である。基本的に一族の里を出るのは男性のみで、トウカのような女性が里を出るのは優秀な血(子孫)を里にもたらすという使命を帯びているためである。
- シャクコポル族
- 登場人物ではクーヤ、サクヤらが該当する、過去、大いなる父「オンヴィタイカヤン」によって寵愛されていたとされる種族で、兎のような耳が特徴。大神ウィツァルネミテアによってかの神が滅ぼされた際、他種族の嫉妬を買って「穴人」という蔑称で卑下され迫害された。肉体的には全種族中最弱といわれている。
- それらの要因からかつては奴隷以下の扱いを受けていたが、20年程前にクーヤの父が「血の契約」により人型汎用生体兵器「アヴ・カムゥ」を入手することでギリヤギナ族に反乱を起こし、ラルマニオヌを制圧しその地に三大強國の1つと称される巨大単一種族國家「クンネカムン」を築いた。しかし未だ他の種族からは対等に見られておらず孤立している。
注釈
- ^ 2006年に発売されたPS2版では同じセーブデータを使う場合、3周目以降に回避可能な重大なバグ有り。対象ロット等不明? 詳しくは外部リンク PS2版うたわれるもの 2018年6月22日閲覧。
- ^ インターネットラジオステーション音泉#沿革2006年参照。
- ^ 2018年5月現在では続編キャラより「ハク、クオン、ネコネ、ルルティエ、ウコン、オシュトル(ハク)」の実装が発表されており、ウコンに関してはシリーズで初めて操作可能キャラとして登場する。
- ^ BGMが続編の偽りの仮面/二人の白皇仕様となる
- ^ ただし、アルルゥやクーヤなど一部の者はハクオロを見たかのような(または気配を感じた)発言をしている。続編の『二人の白皇』にて、大神ウィツァルネミテアの化身として現世に帰還していたことが正式に明かされ、物語の重要な鍵を握る人物として登場し、その後はハクが大神ウィツァルネミテアの力を引き継いだことにより、人間として正式にトゥスクルへ帰還することとなった。
- ^ ドラマCDやラジオドラマなどではその部分が強調されている。
- ^ つける場所はどこでも良く、エルルゥは髪飾りにしている。
- ^ トゥスクルは次女だが、姉が死んだので受け継いだ。
- ^ 死亡したのではなく、あくまで封印なので契約状態であっても何も影響がない可能性もある。
- ^ 成長したムックルを見てハクオロやエルルゥが驚愕する場面がある。
- ^ ムックル担当の下山曰く「突然出てきてアルルゥの愛を奪っていく憎いやつ(笑)」とある[28]。
- ^ HDリメイク版とそれ以前では若干仕様が変更されており、HD版以前では必殺連撃がミスとなりダメージも増加していなかったがHD版からは演出上のみで失敗となるがダメージは加算される扱いとなった。ガチャタラ加入前は無属性ダメージだが加入後は属性ダメージへと変更される
- ^ ゲーム版のみ。
- ^ ゲーム版のみ。
- ^ 国家予算で購入した薬を与えてもらっている[26]。
- ^ ゲームの収録時、これを知ったエルルゥ役の柚木は、メインヒロインであるはずのエルルゥではなくユズハと子供を作ったことをなぜかハクオロ役の小山に激怒した[32]。
- ^ しかし、女性用の耳飾りに興味を示したり、オボロと衆道関係にある描写もあった。
- ^ ゲーム中のイベントCGから。
- ^ アニメ版ではウー、ヤー、ターの3人も。
- ^ ここでは物語の主人公を「ハクオロ」、エルルゥ達の父親を「ハクオロ(故人)」と区別する。
- ^ 恋慕うことの意。
- ^ しもおんな、げじょ。身分の低い女性の意。
- ^ ちゃくし。跡継ぎ、跡取りの意。
- ^ ようせつ。早くに亡くなってしまうことの意。
- ^ 作中でのエルルゥの発言より。
- ^ 最終回で、普通に働いているヌワンギの絵を入れようという話がスタッフの間であったが、「原作と違うヌワンギの結末は絶対に不可」であると原作者から釘を刺されたとのこと[39]。
- ^ アニメ版24話より、脇腹の継ぎ目とある。
- ^ クーヤを案じるシーンにて「私は幸せだ、良い者逹に囲まれて」という作中でのハクオロの発言より。
- ^ 2023年2月15日に飯塚昭三が逝去した為、イベント【夢想の果てに】から谷昌樹が引き続き起用されている
- ^ 黒手帳(恨み手帳)[44]。
- ^ アニメ版では秋元羊介は監督から「東野英治郎が演じる初代水戸黄門の笑い方をイメージしてくれ」という指導を受けたと語っている。
- ^ 作中の台詞から。
- ^ 結びつき、繋がりなどの意[34]。
- ^ ウイツァルネミテア監修。
出典
- ^ a b c d e f 公式ガイドブック、p183。
- ^ 2006年ゲーム総合部門売り上げランキング(2007年9月29日時点のアーカイブ) 2013年1月17日閲覧。
- ^ 「メモリアルブック」での座談会における望月雄太郎アクアプラスアニメーション部プロデューサー談。
- ^ “セガゲームス、他社開発の家庭用ゲームソフト 7タイトルのアジアでの販売ライセンスを新たに獲得 〜自社の販売網・ノウハウを活用し、パートナー企業のアジア展開を支援〜”. セガゲームス (2018年1月29日). 2018年6月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月9日閲覧。
- ^ セガ、他社開発ゲーム7タイトルのアジアでの販売ライセンスを取得GAME Watch 2018年1月29日
- ^ “「うたわれるもの」シリーズ三部作のスマホアプリ版が無料で配信開始。物語・音声・楽曲を余すところなく楽しめる - 4Gamer.net”. 4Gamer.net. 2020年1月23日閲覧。
- ^ “新プロジェクト始動!”. アクアプラス. 2011年4月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年1月17日閲覧。
- ^ “『うたわれるもの2』、『ティアーズ・トゥ・ティアラ2』、完全新作『ジャスミン』を発表”. ファミ通.com. エンターブレイン (2011年1月27日). 2015年6月7日閲覧。
- ^ いずれも、『電撃G'sマガジン9月号』より。
- ^ アクアプラス20周年記念タイトル「うたわれるもの 偽りの仮面」
- ^ "「うたわれるもの ロストフラグ」の正式サービスが本日スタート。これまでのシリーズに登場したキャラも加わり,新たな物語を描く". 4Gamer.net. 2019年11月26日. 2020年10月1日閲覧。
- ^ “『ドカポン』と『うたわれるもの』のコラボタイトル『ドカポンUP! 夢幻のルーレット』が発売決定!【先出し週刊ファミ通】”. ファミ通. 2020年8月5日閲覧。
- ^ “ドカポンUP! 夢幻のルーレット”. アクアプラス. 2020年8月7日閲覧。
- ^ “モノクロームメビウス 刻ノ代贖”. アクアプラス. 2022年9月10日閲覧。
- ^ 公式ガイドブック、p181。
- ^ 公式ガイドブック、p186。
- ^ ゲーマガ2011年4月号 114ページ
- ^ a b 公式ガイドブック、p182。
- ^ a b c d e f g h i j k l 『月刊ニュータイプ 2006年8月号』 角川書店、2006年8月1日、184頁、ASIN B000GGRUZQ
- ^ a b c 公式ガイドブック、p184。
- ^ DVD特典ブックレット、p13。
- ^ 戦闘フェイズ「エヴェンクルガの女」より
- ^ a b PS2版収録用語辞典。
- ^ PS2版作中でのクロウの台詞から。
- ^ アニメ版23話のウルトリィの発言より。
- ^ a b c 公式ガイドブック、p185。
- ^ 公式ガイドブック、p191。
- ^ 公式ファンブック、p85。
- ^ DVD特典ブックレット、p2。
- ^ a b c 公式ガイドブック、p187。
- ^ a b 公式ガイドブック、p188。
- ^ DVD特典キャストインタビューVOL7より。
- ^ 日めくりCD トラック37 「ウルトリィとカルラ」より。
- ^ a b c うたわれるもの オリジナルサウンドトラックより。
- ^ DVD特典ショートエピソード第二話より。
- ^ 公式ファンブック、p107。
- ^ DVD特典キャストインタビューVOL5より。
- ^ ゲームに収録された人物図鑑の記述より。
- ^ 公式ファンブック、p95。
- ^ 公式ファンブック、p111。
- ^ うたわれるもの ロストフラグの2022年5月10日のツイート、2022年5月10日閲覧。
- ^ DVD特典キャストインタビューVOL6より。
- ^ 公式ガイドブック、p186。
- ^ ゲーム版の蒐集品説明より。
- ^ DVD特典ブックレット、p11。
- ^ 公式ファンブック、p47。
- ^ DVD特典ブックレット、p7。
- ^ 公式ガイドブック、p189。
- ^ 公式ファンブック、p65。
- ^ 公式ファンブック、p64。
固有名詞の分類
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