PCBによる水域底質の汚染
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/06 09:15 UTC 版)
「ポリ塩化ビフェニル」の記事における「PCBによる水域底質の汚染」の解説
1975年にPCBの底質暫定除去基準が制定され、全国でPCBで汚染された底質の浚渫が行われた。 なお、PCBのうち、コプラナーPCB(塩素原子が分子の外側を向き平面状分子となっているものであり、一般のPCBに比べて毒性が高い。)はダイオキシン類の一種であるが、かつてのPCB暫定除去基準に従って浚渫した海域において、ダイオキシン類の底質環境基準を超過する底質が検出される例が見られる。 また、PCBを含む絶縁油などの不適切な管理により河川や閉鎖水域に投棄されたPCB油による底質汚染も検出されている。汚染原因者特定のために、異性体パターンによるPCBの種類の特定や、ケミカルマスバランス法による負担割合の定量的な算定が行われている。 PCBはポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)など他の化学物質とともに大洋の海底も広範囲に汚染しており、マリアナ海溝などで採取された深海生物の甲殻類からも検出されている。 深海生物から検出されたPCBは、食物連鎖に伴う生物濃縮、マイクロプラスチックに付着したり海水に溶け込んだりしているPCBの吸収などに由来すると推測されている深海にも及んでいる。
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