F9R-Dev
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/08/16 18:26 UTC 版)
「グラスホッパー (ロケット)」の記事における「F9R-Dev」の解説
F9R-Dev (Falcon 9 Reusable Development Vehicle) は、再使用型ファルコン9 ロケットの開発用の試験機であり、グラスホッパーの次世代機である。グラスホッパーとの違いは、ファルコン9 v1.1ロケットの1段と同じ直径と長さの機体となり、Merlin 1Dエンジンが3基に増やされ、着陸脚4本もファルコン9 v1.1で使うのと同じものを装備している(4本の脚の重量は約2,000kg)。F9R-Devは2機あり、1機はテキサス州のMcGregor試験場でF9R-Dev-1として使われ、もう1機はニューメキシコ州のスペースポート・アメリカで使われるF9R-Dev-2がある。F9R-Dev1は、2014年4月17日に飛行試験が初めて行われ、高度約250mに達した。テキサス州のMcGregor試験場は、FAAの規制により、飛行高度が3km以下にまで制限されている。このため、それ以上の高度での飛行試験を行う場合はニューメキシコ州のスペースポート・アメリカで試験が行われ、F9R-Dev2は高度90kmにまで達することができる。 Test #日付機体番号試験場所到達高度飛行時間備考1 2014-04-17 F9R Dev1 McGregor 250 m (820 ft) 上空で静止、横方向へ移動、着陸直前に減速した後着陸に成功 2 2014-05-01 F9R Dev1 McGregor 1,000 m (3,281 ft) グラスホッパーの到達高度記録を更新 3 2014-06-17 F9R Dev1 McGregor 1,000 m (3,281 ft) 2分間 機体の姿勢制御用の空力安定フィン(グリッドフィン)4枚を初めて装備して試験を実施。 4 2014-08-01 F9R Dev1 McGregor 5 2014-08-22 F9R Dev1 McGregor 飛行中のトラブルにより機体が自爆、再使用試験機では初となる飛行試験失敗となった。この試験では、これまでに実施した中で最も複雑な、限界に近い内容がテストされていた。負傷者などはなく、また飛行範囲も事前に予定されていたエリアに止まっていた。 2014年8月に起きたF9R Dev.1の事故原因は、3基のMerlin 1Dエンジンのうちの1基でセンサ故障が起きて、飛行経路から逸れたため、自動的に指令破壊コマンドが実行されたものであった。ファルコン9だとエンジンは9基あるため、故障しても冗長系があるが、エンジンが3基しかないF9Rでは冗長系がないとの報告であった。
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