DynaMac
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/26 10:17 UTC 版)
「Macintosh 512K」の記事における「DynaMac」の解説
DynaMacはMacintoshの販売代理店であったキヤノン販売がMacintosh 512KにJIS第1水準漢字ROMを装着して1985年8月20日に発売したもの。名称はアラン・ケイが提唱したダイナブック(Dynabook)より。 日本で1984年4月に発売されたMacintosh (128K)は標準では日本語に対応しておらず、また性能の制約上ソフトウェアで日本語に対応することも困難であった。アップルコンピュータジャパンの総代理店であったキヤノン販売は米Apple本社に日本語への対応を要求するが、スティーブ・ジョブズは「欧州で売れているのに日本で売れないはずがない。」として真摯に取り合わない。その後、米Apple本社ではOSの日本語化に向けた検討が行われたが、いつ完成するのか不透明な状況が続いていた。 そこでキヤノン販売は独自で漢字ROMボードを開発し、ソフトウェアはエルゴソフトに協力を仰いでEGBRIDGEの漢字ROMへの対応を依頼した。同時期にMacintosh 512Kが発売されたため、これをベースとすることになった。Appleは販売代理店がハードウェアに改造を施すことに反発したが、当時米国でMacintoshにハードディスク(ゼネラル・コンピュータ(英語版)のHyperDriveなど)を内蔵して販売していた店が存在したため、それを口実に販売の承認を受けた。こうしてDynaMacは、Appleから供給されるMacintosh 512Kに漢字ROMボードとDynaMacのロゴバッジを付けて、元の化粧箱からさらに独自の化粧箱に入れられて898,000円で販売された。日本国内でのMacintoshの出荷台数はそれまでの月50台から月200台以上になり、Microsoft Excel日本語版が発売された後には月1,000台を上回った。
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