C60フラーレン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 03:13 UTC 版)
詳細は「バックミンスターフラーレン」を参照 炭素原子60個からなる切頂二十面体(サッカーボール状)構造、直径7.1Åのフラーレンを、C60フラーレンと呼ぶ。IUPAC命名法では (C60-Ih)[5,6]フラーレンという。また、同様の構造を持ったドームジオデシック・ドームのデザイナーであるバックミンスター・フラーの名をとって、バックミンスターフラーレン (Buckminsterfullerene) 、バッキーボール (Buckyball) とも呼ぶ。6員環が20、5員環が12、60本の単結合、30本の二重結合で形成されており、余った結合が出ない安定な構造である。 フラーレン (C60) は、固体構造(ファンデルワールス結晶)をとる場合がある。C60 を一つの粒子とみなして、その粒子が面心立方構造(常温での安定相)をとる。260 K以下では、単純立方構造が安定となる。また、常温での準安定相として六方晶構造も存在する。これらの構造で、個々のフラーレンは高速で回転している。常温で毎秒およそ108から109回転するが、低温では回転は遅くなる。さらに、その粒子間(C60間)にアルカリ金属などがインターカレートした構造も存在(面心立方的構造、体心立方的構造などとなる)する。アルカリ金属などをインターカレートした構造の中には、超伝導を示すものも存在する。カリウムをドープした K3C60 は C60 を面心立方 (fcc) で組み上げ C60 分子間に K+ が入り込む形になっていて、その転移温度は30 Kを超える。他に二価金属のBaでも Ba4C60 となり、10 K以下だがやはり超伝導を示す。
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