ATP産生
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 14:24 UTC 版)
ATP産生はミトコンドリアの主たる機能であって、これに関わる多くのタンパク質が内膜やマトリクスに存在している。 細胞質では解糖系が行われ、主にグルコースを代謝して、わずかなATPを合成しながら、ピルビン酸とNADHに分解する。ここで、もし酸素が充分に存在しない場合には、解糖系の産物は嫌気呼吸により代謝される。しかしミトコンドリアで酸素を用いて、これらを酸化する好気呼吸を行えば、嫌気呼吸と比べて効率良くATPを得られる。嫌気性分解では1分子のグルコースから2分子のATPしか得られなかったのに対して、ミトコンドリアによる好気性分解によって、1分子のグルコースから約38分子のATPが合成できる。 また、ミトコンドリアでは、ピルビン酸だけでなく、脂肪酸も利用できる。ミトコンドリアで脂肪酸はβ酸化が行われる。ピルビン酸がアセチルCoAに変換されて、TCAサイクルに入るように、β酸化によって、脂肪酸は炭素鎖が2つずつ切り離されてアセチルCoAが生成され、同じようにTCAサイクルに入るからである。 なお、植物のミトコンドリアは、酸素が無くとも、亜硝酸を利用してある程度のATP産生が可能である。
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