5号機以降の仕様変更
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/08 09:39 UTC 版)
「M-Vロケット」の記事における「5号機以降の仕様変更」の解説
第2段モーターがM-24からM-25に変更されている。構造においては、モーターケース材の高張力鋼からCFRPへの変更が行われ、構造重量を2割削減した上、M-34のケース材より強度の高い材質を使用している。これによってM-24の約2倍の燃焼内圧を実現し、推力が向上された。また、燃焼内圧の向上に伴いノズルは小型化され、第1段前部鏡板はFITH時の座屈防止のために板厚が4.3mmから5.5mmまで増厚されている。姿勢制御においてはLITVCからノズル自体を可動とし熱電池を用いて電動アクチュエータで駆動するMNTVCへの変更がなされている。また、第1段SMRCの4方向3機ずつ計12機削減とそれによる後部筒の軽量化、第1段と第2段をつなぐ1/2段接手の単純化、第2段と第3段をつなぐ2/3段接手の短縮化が施された。これらは主にコストダウンおよび高性能化を目的として以前より研究が進められていたものであり、4号機の打ち上げ失敗をきっかけとする変更ではない。4号機の失敗に起因する仕様変更は、第1段及び第3段ノズル材のグラファイトから3D-C/C複合材への変更のみである。なお、オプションのキックモーターKM-V2を使用した場合は、3段目を地球周回軌道に投入することができず、その代わり、正規状態(3段式)のカタログスペックである地球周回軌道投入能力1.85トンを上回る能力の発揮が可能である。 5号機以降での仕様変更は大幅なものであったために、欧米のWebサイトでは5号機以降のM-VロケットをM-V-IIやM-5(2)等と表記している場合がある。
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