2つの結婚がもたらしたもの
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/17 06:50 UTC 版)
「キャサリン・オブ・ヴァロワ」の記事における「2つの結婚がもたらしたもの」の解説
中世イングランドの最高潮と言われているヘンリー5世とキャサリンとの結婚は、結果的にはランカスター朝、さらには広義のプランタジネット朝断絶への布石となったとも言える。この結婚の結果、シャルル6世の狂気の遺伝子がヘンリー5世とキャサリンの子ヘンリー6世にもたらされたと推測できるからである。百年戦争に敗れたイングランドでは、王権の失墜とヘンリー6世の精神異常が原因でランカスター朝とヨーク朝が相争う薔薇戦争が勃発したが、この戦争の結果、両王朝は滅亡してプランタジネット家男系は断絶し、女系の継承権によりテューダー朝が開始された。 薔薇戦争の最終的な勝利者であるヘンリー7世は、男系ではエドワード1世に滅ぼされたウェールズ大公の末裔である。ヘンリー7世は、ヘンリー5世の征服で最高潮に達した、ウィリアム1世(征服王)以来の大陸との連合国家構想を捨て、アーサー王以来のブリテン島回帰主義を採った。また、テューダー朝の創始がイングランド史における中世の終わり・近世の始まりとも言われている。 したがって、キャサリンの2度の結婚が、イングランド史における中世から近世へのターニングポイントになったとも言えよう。
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