1970年 - 1999年
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/28 04:07 UTC 版)
「超新星の観測史」の記事における「1970年 - 1999年」の解説
Ia型超新星は1973年ごろに基礎が成立した。NGC 5253にあるSN 1972Eの光度曲線は爆発した時の一度跳ね上がったあと、一日にだいたい0.01視等級ずつ減光していった。Ia型超新星の元の恒星でニッケル56が生成される。ニッケル56は半減期が約6日でありコバルト56に崩壊し、コバルト56は半減期約77日で鉄56に崩壊する。この崩壊によりエネルギーを放出する。 また、光度を測定することで、距離が推定できる標準光源としての利用が高まった。ハイゼット超新星探索チームは1998年の超新星宇宙論計画で遠方にあるIa型超新星が予想より暗くなっていることを発見し、宇宙の加速を証明する手がかりにしている。 天の川銀河では1604年以来超新星は観測されていないが、1667年か1680年ごろにカシオペヤ座の方向で超新星爆発が起きたと考えられている。残骸はカシオペヤ座Aと呼ばれ、星間塵により発見が阻害されたと考えられている。しかし、現在では別の波長のスペクトルから見ることができる。 20世紀になり超新星の発見は増えている。特に1990年代には超新星を探査する計画が多く開始された。1992年にロイシュナー天文台でBAIT(Berkeley Automated Imaging Telescope program)という超新星探査計画が開始され、1996年にはリック天文台でKAIT(Katzman Automatic Imaging Telescope)が成功した。2000年までにリック天文台は96もの超新星を見つけ、世界で一番超新星の発見に成功した。 1990年代後半、超新星残骸にあるチタン44の崩壊で放出されたガンマ線を探索することで超新星を発見できるのではないかと提案された。チタン44は半減期が比較的長く、近ければガンマ線が銀河を超えて届く距離にもなる。 RX J0852.0-4622はほ座超新星残骸に見られた超新星である。ほ座超新星残骸にあるのでほ座の英名ベラにちなみ、RX J0852.0-4622はベラ・ジュニアとも呼ばれる。ガンマ線が検知されたため、天文学的には若い(おそらく1200年ごろ)に爆発したと思われるが、歴史的記録はない。地球から700光年ほどしか離れておらず、これほど近くに超新星が現れるのは10万年に一度ほどと言われる。
※この「1970年 - 1999年」の解説は、「超新星の観測史」の解説の一部です。
「1970年 - 1999年」を含む「超新星の観測史」の記事については、「超新星の観測史」の概要を参照ください。
- 1970年 - 1999年のページへのリンク