1970年代とランダム行列
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/06/25 13:49 UTC 版)
「ヒルベルト・ポリア予想」の記事における「1970年代とランダム行列」の解説
ヒュー・モンゴメリー(英語版)はクリティカルライン上の零点の統計的分布を研究し、ある性質を持つことを予想した。この予想は、現在、モンゴメリーのペア相関予想と呼ばれている。零点は、密集し過ぎぎず反発するような傾向がある。彼は1972年にプリンストン高等研究所を訪れたとき、この結果をフリーマン・ダイソンに示した。ダイソンはランダム行列理論の基礎を築いた一人である。 ダイソンは、モンゴメリーが発見した統計分布がランダムエルミート行列の固有値のペア相関分布と同一に見えることを知った。これらの分布は物理学で重要であり、例えば、原子核のエネルギー準位のように、ハミルトニアンの固有状態はある統計を満たす。引き出された結果は、リーマンゼータ函数の零点の分布とガウス型ユニタリアンサンブルから来るランダムエルミート行列の固有値との間の関係を強く裏付けていて、両方とも同じ統計に従うと現在は信じられている。このようにヒルベルト・ポリアの予想は、リーマン予想の証明には未だ至っていないが、より強固な基礎付を持っている。
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