1955年から1979年
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「エリザベス・テイラー」の記事における「1955年から1979年」の解説
ジョージ・スティーヴンス監督作品で、ロック・ハドソン、ジェームズ・ディーンと共演した大作『ジャイアンツ』(1956年)で、テイラーはハドソン演じる富豪ジョーダンの妻レズリーという、シリアスで存在感のある役どころを得た。そしてテイラーは、モンゴメリー・クリフトと共演した『愛情の花咲く樹』(1957年)で演じたスザンナ・ドレイク役で、初めてアカデミー主演女優賞にノミネートされた。以降テイラーは、ポール・ニューマンと共演した『熱いトタン屋根の猫』(1958年)、モンゴメリー・クリフト、キャサリン・ヘプバーン、マーセデス・マッケンブリッジと共演した『去年の夏 突然に』(1959年)、『バターフィールド8』(1960年)と4年連続でアカデミー主演女優賞にノミネートされ、最後の『バターフィールド8』でアカデミー主演女優賞を獲得した。『バターフィールド8』は当時テイラーの夫だったエディ・フィッシャーと共演した作品で、テイラーに自身のことを18年間にわたる「MGMの家財」と言わしめた、MGMとの契約における最後の作品となった。 『熱いトタン屋根の猫』『去年の夏 突然に』の大ヒットによって、テイラーは興行成績上位10位に入る俳優となり、その後も10年にわたってほぼ毎年上位10位にランクインした。1960年にテイラーは、20世紀フォックスと100万ドルで『クレオパトラ』(1963年)の出演契約を結び、当時最高額の出演料を得る女優となった。最終的にはテイラーはこのクレオパトラ役で700万ドルを手にしている。テイラーはこの『クレオパトラ』の撮影中に、共演者でマーク・アントニー役のリチャード・バートンと恋愛関係になった。両者ともに結婚していた不倫関係であり、タブロイド紙に大きく取り上げるスキャンダルとなってしまった。 テイラーに二度目のアカデミー主演女優賞をもたらしたのは、当時の夫だったリチャード・バートンと共演した『バージニア・ウルフなんかこわくない』(1966年)のマーサ役だった。この映画はテイラーにとってもバートンにとっても大きな転機となった作品で、ウォーカーは「二人のキャリアのなかで、もっともやりがいがある作品であり、もっとも手ごわかった作品」だと評している。テイラーはこの作品を「本物の演技」を試すいい機会だととらえ、さらに、自身の憧れの女優ヴィヴィアン・リーが演じてきた「悲劇のヒロイン」と張り合うチャンスだと考えた。しかしながらテイラーは、自身の実年齢より20歳以上年長のマーサ役を演じるには自身の外見が若すぎることを気にかけていた。テイラーは役の年齢相応に見せかけるために白髪を足すなど、肉体的にも声質的にもマーサに近づけようとした。意図的に体重を増やし、過度に濃いマスカラ以外はほとんど化粧をせず、薄汚れたバッグを持つという出で立ちで役作りを行った(pp281–282)。 テイラーとその5番目、6番目の夫リチャード・バートンとは、『予期せぬ出来事』(1963年)、『いそしぎ』(1965年)、『じゃじゃ馬ならし』(1967年)など、10年間で6本の映画で共演している。1967年までに二人の共演作品は200万ドル以上の興行成績をあげた。『じゃじゃ馬ならし』に続いて『ファウスト悪のたのしみ (en:Doctor Faustus)』(1967年)、『危険な旅路 (en:The Comedians)』(1967年)、『夕なぎ』で、テイラーとバートンは共演しているが、いずれも興行成績は振るわなかった。 テイラーはジョン・ヒューストン監督作品『禁じられた情事の森』(1967年)でマーロン・ブランドと共演し、翌年にはミア・ファローと『秘密の儀式』(1968年)で共演した。1960年代の終わりにはテイラーの集客力は落ちていき、出演作の興行成績は大幅に下がってしまった。ウォーレン・ベイティと共演した1970年の『この愛にすべてを』も興行的には失敗作となっている。 加齢とともに「か細く柔軟性のない声」しか出なくなったテイラーだったが、1970年代も多くの映画作品に出演するスターであり続けた。マイケル・ケインと共演した『ある愛のすべて (en:X, Y and Zee)』(1972年)、ヘンリー・フォンダと共演した『別離』(1973年)、ジェーン・フォンダ、エヴァ・ガードナーと共演した『青い鳥 (en:The Blue Bird)』(1976年)、夫リチャード・バートンと共演した『リトル・ナイト・ミュージック (en:A Little Night Music)』(1977年)などに出演し、1973年にはテレビ映画の『離婚・男の場合 離婚・女の場合 (en:Divorce His, Divorce Hers)』にも出演している。
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