面会交流に関する調停 (日本)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 04:00 UTC 版)
「家事調停」の記事における「面会交流に関する調停 (日本)」の解説
日本は、20世紀末頃から急速に未成年者の数が減少していった国であるが、前述のとおり、同時期に面会交流 ( en: visiting ) に関する調停の申立て件数は急増した。日本に限らずどこの法域でも、面会交流は、当事者の合意に基づくものであってはじめてその意義を十分に発揮できると考えられているが、同時に面会交流を巡る紛争は、合意形成の非常に難しい紛争領域であるとも考えられている。 日本の面会交流に関する裁判実務を主導しているのは、「子の福祉の観点から面会交流を禁止・制限すべき事由が認められない限り、面会交流の円滑な実施に向けて審理・調整を進めるべきである」 という考え方である。このような考え方はドイツBGB1684条4項にも見られる普遍的な考え方であるが、家庭裁判所が「同居親は著しい苦痛を被ってでも面会交流に協力しなければならない」といった非科学的な教条主義的運用に陥りがちであると警告する見解も根強い。 前述のとおり、面会交流に関する調停には家庭裁判所調査官が関与する事案が多い。家庭裁判所調査官は、期日に立ち会って調停委員会に専門的知見に基づく助言を行い、子の心情や意向の調査などを行っている。この場合の調査は、①両親から同居時の別居親と子との関わり方、同居親の監護状況や面会交流に対する懸念、別居心の希望する面会交流の実施方法を陳述書や面接により聴取し、②子に面接して心情や意向を聴取し、③事案によっては別居親と子を試行的に面会させて、別居親と子との交流場面を観察する(試行的面会交流(しこうてきめんかいこうりゅう))、という手順を基本とする。調査結果が調停委員会や裁判官に大きな影響を与えることは、監護権に関する調停と同様である。
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