開単位円板、平面、上半平面
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/22 03:44 UTC 版)
「単位円板」の記事における「開単位円板、平面、上半平面」の解説
複素函数 f ( z ) = z 1 − | z | 2 {\displaystyle f(z)={\frac {z}{1-|z|^{2}}}} は単位開円板からガウス平面への実解析的かつ全単射な函数の一例である(逆函数もまた解析的)。従って、二次元の実解析的多様体(英語版)と見做した単位開円板は、平面全体と(実解析的)同型である。特に、単位開円板は全平面に同相である。 しかし単位開円板から全平面への等角全単射は存在しないから、単位開円板とガウス平面はリーマン面としては異なる。 一方、単位開円板から上半平面への等角全単射が存在するから、リーマン面としては単位円板は上半平面に同型(双正則または等角同値)である(もっと一般に、リーマンの写像定理は「ガウス平面上の全平面でない任意の単連結開集合から単位開円板への等角全単射がとれる」ことを主張する)。これにはよく用いられるものが二種類あり、その一つはメビウス変換 g ( z ) = i 1 + z 1 − z {\displaystyle g(z)=i{\frac {1+z}{1-z}}} (これはケーリー変換(英語版)の逆変換)である。幾何学的には、実軸を折り曲げて圧縮して、上半平面を単位円板の内部に、実軸をその円周に(一番上の点には「無限遠点」がくるように)したものと考えればよい。また別の等角全単射を二つの立体射影の合成として構成することもできる。初めに、射影の中心としての単位球面の「南極」をとることにより、単位円板は単位上半球面の上へ立体投影される。次にこの上半球面は、接点と反対側にある半球面上の点を射影の中心とすることにより、それに接する垂直半平面の上へ横向きに射影される。 単位円板と上半平面はハーディ空間に対する領域としては置き換えが可能でない。この違いを生む理由として、単位円は(一次元の)「有限」ルベーグ測度を持つが、実数直線はそうでないという事実がある。
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