進化的共分散による三次元接触の予測
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/04 06:25 UTC 版)
「タンパク質構造予測」の記事における「進化的共分散による三次元接触の予測」の解説
1990年代にシークエンシングが一般的になると、いくつかのグループがタンパク質の配列アライメントを利用して相関突然変異を予測し、これらの共進化残基を利用して三次構造を予測できるのではないかと期待された(NMRなどの実験的手法による距離制約との類似性を利用)。この仮定は、単一残基の突然変異がわずかに有害である場合、残基-残基間の相互作用を回復させるために代償性突然変異が起こる可能性があるとするものである。この初期の研究では、タンパク質の配列から相関突然変異を計算するために、いわゆる個別メソッドを用いていたが、各残基のペアを他のすべてのペアから独立したものとして扱うことから生じる間接的な偽相関に悩まされていた。 2011年には、これまでとは異なるグローバルな統計的アプローチにより、十分な配列があれば(1,000以上の相同配列が必要)、共進化残基を予測するだけでタンパク質の3Dフォールドを予測できることが実証された。このEVfold法は、相同性モデリング、スレッディング、3D構造フラグメントを使用せず、数百残基のタンパク質に対しても標準的なパーソナルコンピュータで実行することができる。この手法や関連するアプローチを用いて予測された接触の精度は、実験的に未解明の膜貫通タンパク質の予測を含め、多くの既知の構造やコンタクトマップ(英語版)で実証されている。
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