連続鋳造機の構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/23 23:18 UTC 版)
連続鋳造は連続鋳造機によってなされる。連続鋳造機は溶鋼を鋳型に流し込んで連続的に鋼片を作る作業を行なう、5–7階建のビルと同じくらいの高さを持つ巨大な装置である。以下に連続鋳造機の構造と各部分の役割を述べる。 取鍋 - 高炉で作られた溶鋼は二次精錬を経て取鍋に入れられ、連続鋳造機の最上部に運ばれる。取鍋では溶鋼中の介在物の一部浮上分離除去される。 タンディッシュ - 溶鋼は取鍋の底部から下のタンディッシュへ注がれる。タンディッシュでも介在物の一部浮上分離除去される。 鋳型 - 溶鋼はタンディッシュの底部から鋳型へと注がれる。鋳型は銅で出来ており、常に水冷されている。鋳型に接触した溶鋼は精密に調整されながら冷やされる。溶鋼は鋳型の中で外側から微細な結晶からなる薄い凝固殻を作りはじめ、微細な結晶はつながりあって大きな樹枝状晶へと成長する。 ガス切断機 - 鋼片はロールで運ばれながら外側より凝固しはじめる。スラブ、ブルームと呼ばれる大きなサイズの鋳片はロール列末端にあるガス切断機で適度な長さに切断され、ビレットと呼ばれる小さな鋳片はシェアーによって切断され、適当な大きさに整えられることが多い。 連続鋳造機での工程を終え、まだ鋳片の欠陥がほとんどない場合は熱い鋳片は冷えないうちに熱間圧延工程に送られる場合もある。また、厳しい用途に使用される鋼の場合、表面欠陥のチェック、除去や内部欠陥のチェックのため、一旦冷却された後に圧延工程に送られる場合もある。
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