越年草の場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/03 05:24 UTC 版)
より多く見られるのは、冬季にのみロゼットの姿を取るものである。 温帯域では、前年の終わりに発芽し、冬を越して春から成長する、いわゆる越年草には、ロゼット葉をつける例が多い。冬の間は、寒さに耐えられるように地表に張り付き、しかも光を受けられるように広く葉を広げる。この形がロゼットである。このような種は、春になるとその中央から茎が伸びて、背が高くなり、花をつける。このとき、伸びた茎にも葉をつけるものが多い。この、伸びた茎につく葉を茎葉という。茎葉が発達すると、根出葉をなくしてしまうものが多いが、いつまでもそれをつけているものもある。ヒメジョオンとハルジオンの違いのひとつが、成長の後に根出葉をなくすかどうかである。 また、根出葉と茎葉が大きく形の違うものもある。そのようなものでは、外見上ではっきりと姿を変えるために、別の種に見えるものが少なくない。 日本で見られる代表的なものとしては、以下のようなものがある。 キク科 - オオアレチノギク、ヒメムカシヨモギ、ヨメナ、ハルノノゲシ アカバナ科 - オオマツヨイグサ、コマツヨイグサ シソ科 - メハジキ 作物にみられる、ダイコンやキャベツなど、冬は根出葉のみで、春になると茎を延ばす(トウが立つ)のも、このような姿からの変形とみなしえる。 また、植物のモデル生物として解析の進められているシロイヌナズナもロゼット型植物である。
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