起爆不良
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/11 14:51 UTC 版)
深度維持装置と磁気信管(起爆装置)の作動不良が最も多く、これは魚雷クライシスと呼ばれた。磁気信管は地球の地磁気による影響で高緯度地域での使用は発射後に即発する可能性が高く、一時的に磁気信管の使用が中止されている。また、接触信管も船体への突入角が浅いと起爆しないことが判明している。出撃した艦長達の余りに多くの不発報告を受け、エーリヒ・レーダーは査問を行い魚雷試験局(TVA)の技術者数名を職務怠慢の容疑で軍法会議にかけている。調査の結果、試射での結果が万全でないにも関わらず使用許可を出したことが原因とされた。前述したように成り立ちが民間企業の集合体であったことでTVAは再編され、各部署の責任者には海軍士官が任命される結果となった。 深度維持は磁気信管に影響し、射出後、深く潜航してしまうことで目標船体下に到達しても必要とする磁気量を感知できないために起爆せず、浅く設定すると加速によって回転することで海面上に飛び出してしまうなどの問題が発生し、深度維持装置も改良が行われている。 一例として、ギュンター・プリーンは戦艦ロイヤルオークの雷撃に7本もの魚雷を要し「木銃」と酷評している。この深刻な問題に対し潜水艦隊司令長官であるカール・デーニッツは「戦場で使用できない武器を配備したのは軍の歴史上見たことが無い」と語っている。
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