象徴的(記号的)文法観
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/13 04:05 UTC 版)
Langackerの認知文法では、他の言語理論に比べて非常に厳しく限定された制約をもつ言語理論である。認知文法では、言語構造を形成する最小要素は語彙でも統語構造でもなく,以下の構造・関係性であると考える。 (i) 意味構造、音韻構造、それを統合した記号構造(象徴構造)と、 (ii) その許された構造のスキーマ化と、 (iii) 構造間のカテゴリー的関係性のみである。 なぜこの3つか、それは、言語学の目的が「意味と形式がどのような関係にあるか」である(Bybee 1985)ことを考慮に入れると、「出発点を言語的知識は実際の言語表現に観察可能である意味と形式に内在する要素に限定し、それに連合、自動化、スキーマ化、カテゴリー化などの非常に基本的な心理学的現象に起因するものに限定する必要があるからである」。(ibid.: 25)言い換えると、はじめから様々な理論仮構物を仮定し言語分析を行うのではなく、経験的に立証されている構成体・心理学的な認知プロセスを反映する言語分析を行おうとしているのである。
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