設定方法の推移
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/16 23:46 UTC 版)
1995年頃に出回ったマザーボードでは、ジャンパピンの差し替えを行ってクロック周波数の変更を行った。その方法はマザーボードの説明書に明示されていたのでわかりやすい反面、ケースを開けて細かいジャンパを抜き差しするのが面倒だった。1997年頃からはジャンパピンの代わりにディップスイッチを備える製品が主流となり、ジャンパピンより楽に変更できるようになったが、やはりケースを開かなくてはならず、面倒である事に変わりがなかった。また、これらの方法は、物理的なジャンパピンやスイッチで設定を行う都合上、クロック周波数および倍率の設定できる組み合わせは限られていた。 1999年頃になるとBIOSの設定画面で変更できるようになり、面倒な点は大幅に改善された。2000年頃からはWindows用のブースト支援ツールを同梱する製品が現れた。ブースト支援ツールではオーバークロックを安全かつ確実に行えるよう、クロック周波数・電源・冷却ファンの回転数などを統合して管理できるようになっている。また、CPUを製造しているAMDが「AMD OverDrive」と呼ばれるオーバークロック用ツールを用意している。そして、このような設定ツールに対応するマザーボードの増加に伴い、従来は「禁じ手」とされたオーバークロックが、むしろ一種のセールスポイントのように扱われるようになってきた。 もちろん、たとえこのようなツールを用いたとしても、すべての製品で一様にオーバークロックができるわけではなく、何らかの事故が起きてもメーカーなどから一切の補償は行われない。
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