解毒剤としての使用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/06 15:52 UTC 版)
シアン化物の解毒剤としては、この薬品が気化しやすいことを利用して吸い込ませる方法が主にとられる。15秒おきに15秒間かがせることを、5回繰り返すことにより、亜硝酸アミルがヘモグロビンのヘム鉄のFe2+を酸化させてFe3+のメトヘモグロビンとなり、さらにシアンがメトヘモグロビンのFe3+と配位結合しシアンメトヘモグロビンとなることによって、動物ミトコンドリアの酸化型のシトクロム酸化酵素複合体(COX)のFe3+へのシアンの配位結合を防いで無毒化される。さらに、シアンメトヘモグロビンから徐々に解離するシアンと別に投与したチオ硫酸ナトリウムが結合してチオシアン酸になる。しかしながら、心筋梗塞急性期の場合に投与すると急激な血圧低下を招くことになる場合があるので使用することはできない。気化しやすい液体であるため、アンプル瓶に入れて保存される。また、引火性が強いため火気厳禁であり、毒劇物取締法上で劇物に指定されている。 硫化水素もシアン化物と同様のメカニズムの毒性を有するので、硫化水素の解毒剤として使用されることがある。
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