複眼の機能
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 02:56 UTC 版)
単一の個眼では図形を識別することはできないが、複眼を構成することで、図形認識能力を備える。例えばミツバチに図形学習能力が備わっていることは、動物行動学者のカール・フォン・フリッシュの実験によって明らかになった。さらに、J.H.Van Haterenらは、ミツバチに同じ図形であっても線分の傾 きを見分ける能力が備わっていること、ヒトと同じカニッツァの三角形と呼ばれる錯視を示すことを明らかにした。 カメラ眼にはない複眼の利点としては視界が広いことが挙げられる。カメラ眼はそれが向いた方向を中心とした円形の範囲を見るだけであるのに対して、よく発達した複眼はそれ自体が球面の一部を成し、その向き合う方向を頭や眼を動かさずに見ることができる。カニのように体から複眼が上に伸び出していれば、ほぼ全方向を視野に納めている可能性がある。さらに少しの動きでも複数の個眼でとらえるため大きな動きのように見え、狩りで動く獲物を発見したり、天敵が襲ってきていることを察知したりするのに役立つ。
※この「複眼の機能」の解説は、「複眼と単眼」の解説の一部です。
「複眼の機能」を含む「複眼と単眼」の記事については、「複眼と単眼」の概要を参照ください。
- 複眼の機能のページへのリンク