製作にいたるまで
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/05 07:26 UTC 版)
「シャーロック ホームズ (人形劇)」の記事における「製作にいたるまで」の解説
脚本担当の三谷幸喜は、大変なホームズファンである。また三谷は番組記者会見で、ホームズはミステリーではなくアドベンチャーであると述べている。元々、三谷は『カラマーゾフの兄弟』を人形劇化したいと考えており、ホームズの人形劇化には反対であった。ゲストが出るたびに新しい人形を作る必要があること、推理の決め手となる細かい部分が、人形劇では描きにくいことがその理由だった。また、シドニー・パジェットの挿絵を人形化しようとしたが、ホームズが長身であるため、操作が難しいので見送られた。 他にも、既にドラマ『シャーロック』でブームが再燃していたこと、ジェレミー・ブレット主演の『シャーロック・ホームズの冒険』もあったこと から、二番煎じを避けるため、原作のよさを取り入れつつ、学園物として制作することになった。対象年齢は10代前半、そして、かつてテレビの人形劇を観て育ったその親の年齢層である。学校が舞台ということで、それまでの回の依頼人や犯人も再登場し、レギュラーが増えて楽しくなるという設定になっており、本来殺人事件でなければ成り立たないはずの原作を、学園物に置き換えるのが楽しかったと語っている。また、なぜ舞台を学校に設定したのかについては、回を追っていく中でわかって来ること、そして『緋色の研究』、『四つの署名』、『バスカヴィル家の犬』そして『恐怖の谷』の四大長編をすべて映像化した、恐らく初めての作品であろうといったことも述べている。 三谷自身は、「これを楽しめなければシャーロッキアンではないと思う」と語っている。この発言には批判があったが、三谷自身によれば、ホームズのシリーズは二次創作のしがいがある作品であり、その二次創作を受け入れるには遊び心が大事であるということ、つまりシャーロッキアンであるのならば、学園物という二次創作もまた、受け入れるだけの遊び心を持ってほしいという意味であったとしている。
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