脱植民地国家の現在
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 00:57 UTC 版)
「アルベール・メンミ」の記事における「脱植民地国家の現在」の解説
『脱植民地国家の現在 ― ムスリム・アラブ圏を中心に』は2004年に刊行された。2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件を契機に、2002年4月のチュニジア、ジェルバ島の自爆テロ事件、2003年5月のモロッコ、カサブランカの爆弾テロ事件、2004年3月のマドリード列車爆破テロ事件など、イスラム原理主義の脅威が急激に高まり、フランスでも郊外(バンリュー)に住むイスラム系移民とイスラム原理主義との関係が懸念されていたときである。また、まさにこうした関係を分析した本書の刊行の翌2005年10月にパリ郊外暴動事件が起きた。本書は、第一部の「新しい市民」で、独立後のムスリム・アラブ国家における政治的指導者の腐敗・圧政、そしてこうした土壌からイスラム原理主義がはびこっていった過程を分析し、第二部「移民」で、ムスリム・アラブ国家から旧宗主国へ移住した者たちが、「バンリュー」という「ゲットー」に追いやられ、貧困と排除による「敗者の怨恨」を抱き、こうした母国と受け入れ国での「二重の失敗」による若者たちの心の隙間に原理主義が入り込んでいった過程を分析している。
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