脚本の変遷
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本作の脚本は、ジェームズ・ハギンが執筆した「トラブルメーカー」という脚本が基になった、ジョンとホリーがシージャック事件に巻き込まれるという物語にする予定だった。しかし、ワーナーブラザーズが「沈黙の戦艦」(1992年)を製作したことにより、印象が似すぎているとしてブルース・ウィリスが難色を示したため、この初期案は放棄された。なお、この「トラブルメーカー」という脚本は、後に書き直されて『スピード2』(1997年)の脚本に流用されている。 その後、『リーサル・ウェポン』(1987年)のシェーン・ブラックに新たな脚本の執筆依頼をしたが断られ、1992年にジョン・ミリアスが雇われたが決定稿には至らなかった。翌年には2作目の脚本を執筆したダグ・リチャードソンとジョン・ファサノが雇われ、それぞれ個別に本作用の脚本を執筆。ロサンゼルスの地下鉄がテロリストの手に落ちるという内容だったがどちらもブルースによって却下された。 その後、ジョナサン・ヘンズリーの執筆した『サイモン曰く』というオリジナル脚本が流用されることになった。ちなみに、ヘンズリーによると本編の最初1時間はオリジナルの『サイモン曰く』に比較的忠実だが、後半はまるで別物になると語っている。 また、『サイモン曰く』は当初ブランドン・リーの主演を想定して書かれたが、主演のブランドン・リーが事故死したために企画が消滅した。ブランドン・リーはサミュエル・L・ジャクソン扮するゼウスに相当する役柄を演じ、この役柄を主人公にする予定だった。 映画の結末は、当初の脚本『サイモン曰く』通りのシーンと、シリーズに合わせて書き直されたシーンの二つが撮影されていて、前者はDVD特典映像と小説版に収録されている。ジョナサン・ヘンズリーは変更に「今でも納得がいかない」とコメンタリーで発言している。前2作で出演したTVリポーター、リチャード・ソーンバーグ(ウィリアム・アザートン)が出てこないのは、テレビの取材が来たのでは犯行グループの動きが如実に中継されてしまい、物語が成り立たなくなるがゆえの脚本上の工夫であった。ホリー・マクレーン(ボニー・ベデリア)の出番も一度は書き足されたが、女優から出演の同意が取り付けられなかったことでカットになった。
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