肥満によるインスリン抵抗性増大例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/09 04:17 UTC 版)
「糖尿病の治療」の記事における「肥満によるインスリン抵抗性増大例」の解説
BMIが25を超えて軽症糖尿病である場合、肥満によるインスリン抵抗性による可能性が高いと考えられる。そのため肥満の解消が最優先事項となる。そのためには食事療法、運動療法が重要なのは言うまでもない。そして経口血糖降下薬を用いるのなら肥満を助長しない薬であることが望ましいと考えられる。その後の治療効果判定が難しくなるからである(たとえば、血糖値は下降傾向になったが太りましたという結果にしても、改善傾向ではない可能性がある)。インスリン分泌促進薬は副作用として体重増加がよく知られているため、この時点ではふさわしくないためそれ以外の薬を用いるべきである。体重に対する影響としてはビグアナイド薬が不変から減少傾向、αGI薬は不変、チアゾリジン誘導体は効果が出る場合は浮腫の副作用以外に体重が若干増加する傾向が知られている。 以上のことを踏まえるとまずはビグアナイド薬、塩酸メトホルミン(メルビン)からはじめ、副作用の胃腸障害によって服薬困難であればαGIやチアゾリジン誘導体に切り替える。また心不全の既往があればメルビン、アクトスともに適応外となるためベイスン、グルコバイといったαGIを処方するという流れが考えられる。ただし、適応外さえ守ればこれらのくすりはどれを使ったから明らかに悪いということはない。定期的にフォローアップし、効果判定をしていくことが大切である。特にアクトスは全く効果がない場合もある(量が足りないのかといったところで悩む)ので、思い切った変更が必要である。
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