絶滅危惧種、準絶滅危惧種について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/08 10:14 UTC 版)
「南硫黄島原生自然環境保全地域」の記事における「絶滅危惧種、準絶滅危惧種について」の解説
南硫黄島には23種の絶滅危惧種、準絶滅危惧種が記録されている。2007年の調査ではうち18種が確認されており、ナガバコウラボシ、ホソバチケシダ、オオトキイヌビワ、ムニンカラスウリ、ムニンホオズキ、ナンカイシダの6種は南硫黄島の個体数が日本全国の個体数の5割を越えると見られている。特にホソバチケシシダは東ヒマラヤ、フィリピン、台湾に分布しているが、日本国内では屋久島と南硫黄島しか分布しておらず、しかも屋久島ではヤクシカの食害によって絶滅の危機に瀕しており、南硫黄島の群落はきわめて貴重である。これら絶滅危惧種、準絶滅危惧種の大半が標高750メートル以上の山頂近くで確認されている。うち800メートル以上の地域では1982年、2007年の調査で比較的安定した個体数を保っている種が多かったが、700メートルから800メートルにかけては2007年の調査では個体数が減少、消滅した絶滅危惧種、準絶滅危惧種が多いことが判明した。 また航空写真の比較や調査に参加した人への聞き取りなどから、1982年に比べて2007年は雲霧林が減少した可能性が指摘されている。雲霧林に多く生育する南硫黄島の絶滅危惧種、準絶滅危惧種は、地球温暖化などによる環境の変化によって発生する気候の変動などによって大きな打撃を受ける可能性がある。
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