組曲ドリーとは? わかりやすく解説

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フォーレ:組曲「ドリー」

英語表記/番号出版情報
フォーレ組曲ドリーDolly Op.56作曲年: 1894-97年 

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 子守歌  "Berceuse" Op.56-12分30秒 No Image
2 ミーアーウー  "Mi-a-ou" Op.56-22分00 No Image
3 ドリーの庭 "La jardin de Dolly" Op.56-32分30秒 No Image
4 キティ・ワルツ "Kitty-valse" Op.56-42分30秒 No Image
5 かわいらしさ "Tendresse" Op.56-53分30秒 No Image
6 スペイン風踊り "Le pas espagnol" Op.56-62分00 No Image

作品解説

2007年10月 執筆者: 齊藤 紀子

 作品のタイトルの《ドリー》とは、作曲当時フォーレ親しくしていたバルダック家の幼い娘エレーヌ愛称であり、この曲集は彼女の誕生日祝って毎年1曲ずつ書き上げられていった全曲3部形式書かれている
 第1曲目の<子守唄>は、1893年作曲され、その翌年単独出版されている。アッレグレット・モデラートのホ長調で4分の2拍子中間部ではハ長調転ずる
 第2曲目の<ミ・ア・ウ>は、1894年6月20日日付付されている。アレグロ・ヴィーヴォのヘ長調、4分の3拍子軽やかさと愛らしさ兼ね備えたリズム特徴的である。
この曲のタイトルめぐって次のようなことが言われている。曲集を贈られエレーヌには、ラウルという名の兄がいた。しかし、まだ舌のよく回らないエレーヌが呼ぶと「メッスュ・アウル(ムッシュー・アウル)」となってしまう。フォーレは、この誤った発音そのままタイトルとして付した。しかし、出版社アメル社が、現在のタイトル変更したとされている。
 第3曲目の<ドリーの庭>は、1895年1月1日日付付されている。アンダンティーノホ長調で4分の3拍子メロディー印象深い
 第4曲目の<キッティ・ワルツ>は、1896年6月20日日付付されている。テンポ・ディ・ヴァルスの変ホ長調時折挿入される上昇音型が際立っている。
この曲も、本来は<ケッティ・ワルツ>というタイトルであった。ケッティとは、前述エレーヌの兄、ラウル飼っていたの名である。従って、タイトル反して、この曲集には本来、一匹存在しなかったこととなる。
 第5曲目の<優しさ>は、1896年作曲された。アンダンテ変ニ長調で4分の3拍子冒頭4小節メロディー臨時記号用いた記譜巧妙である。
 第6曲目の<スペイン舞曲>の作曲年は、1897年とも1896年とも言われている。アレグロヘ長調で8分の3拍子活き活きとしたリズム特徴的である。
 曲集全体は、1897年アメル社から出版され翌年パリでエドワール・リスラーとアルフレッド・コルトーにより初演された(コルトーは、この曲集をピアノ・ソロのために編曲している)。
 尚、この《ドリー》は、ドビュッシーの《子供の領分》と並べて評価されることがある。このことは、エレーヌ母親エンマが後のドビュッシー夫人となり、その子シューシューのために作曲された作品が《子供の領分》であるため、ある意味文字通り姉妹作品となっている。




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