籠渡しとは? わかりやすく解説

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かご‐わたし【籠渡し】

読み方:かごわたし

架橋できない深い谷や断崖(だんがい)、また、急流のために舟が渡せない場所で、綱を両岸渡して籠をつり、中に人や物を入れて手繰り渡す装置。かごのわたし。ざる渡し


籠渡し

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/15 05:20 UTC 版)

広重「飛騨 籠わたし」

籠渡し(かごわたし)は、を架けることが出来ないまたは許されないために、両岸の間にを渡し、その綱にを吊り下げ籠に人を乗せ、または物を入れ、対岸に渡すものである。しばしば、この両岸は急流をはさんだ懸崖、絶壁である。

歌川広重の「飛騨籠渡図」でも知られる。

概要

飛騨白川越中黒部川庄川にあったが、明治以後、廃絶した。 飛騨のものは、神通川の上流、白川村の渓流をはじめとする急流にもうけられた。 吉城郡中山村のものは、対岸は蟹寺で、両岸は断崖絶壁で橋を架けることができない。 大野郡椿原のものは対岸は蘆原で岩石が丈高く、水面はたいへん低い。 ともに川幅は広い。 鳩谷と萩町との間に渡すものは、東岸が高く、西岸が低いため階梯をたてて、籠についたという。

装置は、対岸にを立て、ノブドウのつるで2まわりくらいの太縄とし、これを杭に結びつけて両岸に張りかける。 これを命綱といい、猴口藤でまるく四筋立とした籠を、命綱に吊かけ、籠の前後に綱を両岸にひっぱって渡す。 渡る人は、籠の中に立って、柱藤を左右にかいこみ、身体を固めてブランコのように前後にふり動かし、それは籠が、ぶらんぶらんと、命綱にふれるほどである。 このときあらかじめたずさえていた藤蔓輪を前の命綱にかけて、これをたぐれば前進し再びかけ、たぐっては進んでゆくという仕掛けであり、命綱の長さは30ないし60間である。 綱はたるんでいて、岸からなかばまでは難なく進むが、そこからなかばは高きにのぼるようで、容易なわざではないというが、地元の人は両岸に世話人を置き交通のたよりとしていた。

越中境のものは、1871年(明治4年)[西暦年要検証]に廃されて、板橋を架し、萩町、鳩谷間は1888年(明治21年)に廃されて、翌年椿原、蘆谷間を鉄鎖橋にあらためた。

黒部川峡流のものは針金を両岸に結び、旅客をこれに吊るして板で渡す方法であったことから、綱渡といった。

復元

加賀藩流刑地でもあった五箇山では、川に架橋が許されず、行き来に籠渡しが使われたが、富山県南砺市にはそれを再現したものがある[1]

徳島県三好市奈良県十津川村では人力ロープウェイ「野猿」として一種のアトラクションとして存続されている[2][3]

脚注

  1. ^ 籠の渡し五箇山 合掌の里
  2. ^ 野猿十津川村観光協会
  3. ^ 野猿徳島観光情報サイト阿波ナビ

「籠渡し」の例文・使い方・用例・文例

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