第2の酵素
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 13:37 UTC 版)
MTR(5-メチルテトラヒドロ葉酸-ホモシステインメチルトランスフェラーゼ)は、メチオニン合成酵素として知られており、ビタミンB12の一種であるメチルコバラミンを利用してホモシステインをメチオニンに変換する第2の種類の反応を触媒するメチル基転移酵素である。この転移機能はビタミンB12欠乏症で失われ、医学的にホモシステインの濃度の上昇で判定することができる。ビタミンB12は、葉酸の活性型であるテトラヒドロ葉酸(THF)の再生産を手助けしているため、葉酸欠乏症でもホモシステイン濃度の上昇が起こり得る。ビタミンB12なしではテトラヒドロ葉酸は5-メチルテトラヒドロ葉酸に変化してテトラヒドロ葉酸に戻ることができない。MTRはホモシステインの存在下で5-メチルテトラヒドロ葉酸と反応してメチオニンとTHFを生成し、それゆえ食事からの新たな葉酸の摂取の必要性が少なくなる。THFはホモシステインからメチオニンへの変換に伴って生成されるか、食事から得られることとなる。それはビタミンB12非依存のチミン合成に関わる5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸(5,10-メチレン-THF)のプロセスによって変換される。5,10-メチレン-THFの利用の減少はDNA合成に障害をもたらし、血球や吸収を司る腸壁細胞のように回転率の高い細胞分裂で障害が生じる。血球細胞の合成障害は、かつて致死性の病として恐れられていた悪性貧血を引き起こす。悪性貧血の巨赤芽球性貧血を含めたすべてのDNA合成の影響は、十分な葉酸の存在により解決される。これは十分な葉酸があれば必要な5,10-メチレン-THFが残るからである。DNA合成、細胞分裂や悪性貧血に関連するビタミンB12の最もよく知られている機能は、効率的なDNA生成に必要な活性型の葉酸のビタミンB12による維持機能である。その他のコバラミンを必要とするメチル基転移酵素は、バクテリア中のMメチル転移酵素(Me-H4-MPT)が知られている。
※この「第2の酵素」の解説は、「シアノコバラミン」の解説の一部です。
「第2の酵素」を含む「シアノコバラミン」の記事については、「シアノコバラミン」の概要を参照ください。
- 第2の酵素のページへのリンク