第一期整備(2012年-2015年)
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「等々力陸上競技場」の記事における「第一期整備(2012年-2015年)」の解説
第一期整備は、3400人収容のメインスタンド(3階建て)を全面改築して6階建てのメインスタンドを構築するというもので、2年半の工期により実施された。この間(2013年・2014年シーズン)もフロンターレの試合や陸上競技会を行えるようにするため、2012年12月から2013年3月末にかけて、メインスタンドと陸上トラックの間に仮設メインスタンドが設置された。仮設メインスタンドでの運営期間中、フロンターレホームゲームの場合、約2500席の減少となり、走り幅跳び走路の上に仮設メインスタンドを構築したため 一時的に日本陸連第一種公認の要件を満たさなくなった(この期間第三種に格下げ)。 設計にあたっては、Jリーグ各会場のスタンドやスロープの角度が測定され、さらに1998 FIFAワールドカップ決勝会場のスタッド・ド・フランスやVfLヴォルフスブルクの本拠地・フォルクスワーゲン・アレーナ、さらにはプロ野球・広島東洋カープの本拠地MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島が参考にされた。新たなメインスタンドはフィールド部分を約110cm掘り下げることでフィールドレベルに近づけ、高齢者や子供連れの家族に配慮して下層部は傾斜を緩やかに設計され、さらに子供をステージで遊ばせられるファミリーシートや、2人1組のペアシートなどJリーグ初の席種が採用された。一方、上層部は前方にせり出した上で徐々に傾斜が急になるように設計されており、完成したメインスタンドを見た中村憲剛は「カンプ・ノウみたい」と呟き、川崎フロンターレ関係者は「あり得ない光景」と驚嘆した。 この改修により、実勢収容人員(Jリーグ公式届出)は26,530人(メイン7,281人、バック・ゴール裏19,249人) となった。当初はメインスタンドを1万人規模で改修することが予定されていた が、観客の利便性に配慮して縦通路を増やし、かつ座席も全席跳ね上げ式とした上でカップルホルダー・ひじ掛け・背もたれを設置するなど快適性に配慮した 結果、7200席規模の収容人員にとどめている。 第一期改修では、大型映像装置の更新も行われ、ホーム(北)側の従来のビジョン(三菱電機製オーロラビジョン)に加え、これまで得点掲示のみ表示していたアウェー(南)側スタンドにもビジョン(富士通フロンテック製)が設置されることになった。 照明設備についても一部変更がなされ、メインスタンドはこれまでの鉄塔式2基が撤去される代わりに、メインスタンドに新設される屋根にインサートする形で、LED方式のものを、Jリーグ開催スタジアムとして初めて設置した。 この他、メインスタンドとバックスタンド(サイド部分)が途切れた部分、スタジアム全体の南西側に高さ9mの防風壁を設置し、直線を走ってゴールに向かう選手や跳躍を行う選手への向かい風を弱めようとした。 なお当初は、トラックのレーンをレンガ色からフロンターレのチームカラーの青色に変更する予定であったが、日本陸上競技連盟から「この大会が出場選手選考会となる北京オリンピックと同じ、選手の慣れ親しんだ色にしてほしい」と要請を受け、この時の計画は一旦断念された が、2019年に第1種公認陸上競技場復帰へ向けたトラックの舗装改修工事にて、川崎Fからの要望を受け入れてブルートラックへ変更する工事を行い、同3月に改修が完了した(後述)。
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