笠置山での霊夢
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/04 15:30 UTC 版)
『太平記』の3巻によると、後醍醐天皇は笠置山の笠置寺に行在所を設けたが、自身の周りに名のある武将が全くいないことに不安に感じていて、思い悩んで寝ていると夢を見たという。庭に南向きに枝が伸びた大きな木があり、その下には官人が位の順に座っていた。南に設けられていた上座にはまだ誰も座っておらず、その席は誰のために設けられたものなのかと疑問に思っていた。すると童子が来てその席はあなたのために設けられたものだと言って空に上って行っていなくなってしまった。夢から覚めて、天皇は夢の意味を考えていると「木」に「南」と書くと「楠」という字になることに気付き、寺の衆徒にこの近辺に楠という武士はいるかと尋ねたところ、河内国石川郡金剛山(現在の大阪府南河内郡千早赤阪村)に楠正成という者がいるというので、急遽正成を笠置山に呼び寄せたという。以上が『太平記』が描く後醍醐天皇と楠木正成の初対面だが、『増鏡』にそよると天皇側は前もって正成を頼りにしていたという。
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