矢野勝嗣
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 21:37 UTC 版)
「第78回全国高等学校野球選手権大会決勝」の記事における「矢野勝嗣」の解説
「奇跡のバックホーム」の主役である矢野勝嗣は、松山商一の強肩ではあったがミスが多く返球もバラバラだった。真面目で練習量はチーム一だったが不器用で本番に弱く、積極性に欠ける選手であり、当時松山商が守備練習の最後に行っていた守備順にノックを受けて返球する「ノーエラーノック」でも、矢野は常日頃からミスを頻発しており、それによってノックが最初からやり直しになったり全員が走らされたりといったことが続いたことから澤田には怒鳴られ、同級生のチームメイトからは部を辞めてほしいとまで言われることもあったという。松山商の外野手のホーム返球は、中継かワンバウンドが決まりであったが、矢野はダイレクトになるミスが多かった。ただし澤田はこの年の6月に、サヨナラの場面では定位置より後ろからはダイレクトに投げるケースもあると外野手に教えていた。澤田本人は忘れていたが矢野自身は覚えており、澤田は真面目な矢野らしい話だと語っている。 矢野は「奇跡のバックホーム」、11回表の二塁打と、たった2球で高校野球生活のすべてを出し切ったとも言え、矢野は高校卒業後「最後に出てきて、いいところだけ持っていった」と当時のチームメイトにからかわれるようになる。矢野はテレビ局の取材でこのときのバックホームの再現を試みるも、1球もホームに届かなかった。 矢野は松山大学に進み、3年生でレギュラーとなる。4年生で主将となり、2000年の大学野球選手権に出場している。卒業後、愛媛朝日テレビに入社した。 矢野自身は、活躍できたのは決勝の最後だけであり、失敗が多く消極的な人間なのに、どれだけすごい奴なんだと周囲からみられてそのギャップに悩んだ時期もあったという。しかし年を重ねるにつれあの経験を一生背負っていこうと前向きになり、当時の話も積極的にできるようになったという。矢野は愛媛朝日テレビで長く営業職(主に東京支社営業部)を務めた後、2014年に報道制作局へ異動。2015年4月からは『スーパーJチャンネルえひめ』でスポーツキャスターを務めていた。2016年春より営業職に戻る。
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