玉櫛笥

デジタル大辞泉

たま‐くしげ【玉^×櫛^×笥／玉^×匣】

読み方：たまくしげ

［名］くしげの美称。

「この箱を開きて見てばもとのごと家はあらむと—少し開くに」〈万・一七四〇〉

［枕］

１ くしげを開けたり蓋(ふた)をしたりするところから、「あく」「ひらく」「覆ふ」にかかる。

「—明けまく惜しきあたら夜を」〈万・一六九三〉

「—開(あ)けてさ寝にし我そ悔しき」〈万・二六七八〉

「—覆ふをやすみ明けていなば」〈万・九三〉

２ くしげの蓋と身にかけて、「身」「二上山(ふたがみやま)」「三諸(みもろ)」にかかる。

「—身のいたづらになればなりけり」〈後撰・雑一〉

「—二上山に月傾きぬ」〈万・三九五五〉

「—みもろの山のさな葛(かづら)」〈万・九四〉

３ 大切なものの意から、「奥に思ふ」にかかる。

「—奥に思ふを見たまへ我(あ)が君」〈万・三七六〉

古典文学作品名辞典

玉櫛笥

読み方：タマクシゲ（ｔａｍａｋｕｓｈｉｇｅ）

分野 俳論書

年代 江戸前期

作者 池田是誰

玉櫛笥

読み方：タマクシゲ（ｔａｍａｋｕｓｈｉｇｅ）

分野 浮世草子

年代 江戸中期

作者 林義端(文会堂)

玉櫛笥

読み方：タマクシゲ（ｔａｍａｋｕｓｈｉｇｅ）

分野 滑稽本

年代 江戸後期

作者 〔二世〕南仙笑楚満人(為永春水)