熊五郎の悪行(その1)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 16:28 UTC 版)
一杯食わされた格好の熊五郎だが、定吉の言った「酒」「おかず」というフレーズに何か引っかかるものがあったらしく、 「あの事がばれたんだ!!」 早速店へ飛ぶようにやってくると、旦那はイライラ。 実はこれ、熊五郎が遅く来たからなのだが、早合点している熊五郎は言い訳をし始める。 ある日、喉が渇いてお勝手へ水を飲みに行こうとしたとき、片口の中に酒がなみなみと入っているのを見つける。 側で働いていた女中のお清に訊いてみると座敷から下がってきた燗冷ましの酒で、捨てるか糠味噌の中に少しずつ入れる以外使い道がないと言う。 ならば自分が貰ってもかまわないだろうと思い、お清に断って片口ごと貰って帰り、飲んでみると燗冷ましでありながら普段のより大層美味で、喜んで飲んでいるうちに二日ばかりでなくなってしまう。 翌日、女房に「もう一度ああいううまい酒が飲んでみたい」と言うと、女房、 「だったら貰ってくれば?」 「自分が飲むから酒をくれとは言いにくい」 「断るからいけないの。黙って貰って来ちゃえばいいじゃない」 「そんなことできるのか?」 「あたしにまかしといて」 すると、どういう伝を頼ったのか女房が酒を貰ってきてくれたので、燗をして飲んでみたらなおさら美味かった。 それからもちょくちょく貰っていたらしいのだが、あるとき蔵に酒樽が山のように積まれているのを見てお清に理由を訊くと、酒好きの旦那のためにいつもこのくらい用意してあるのだとか。 しかし、いくら酒好きとはいえいっぺんにこんなには飲めるわけもなく、時がたてば味が落ちてしまうだろうし、こっちもちびちび貰うよりもいっぺんに貰ってしまったほうが手っ取り早いと大八車を引っ張ってきて5~6樽もって帰ってしまったのであった。
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熊五郎の悪行(その2)
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これを聞いた旦那、全く知らなかったので「その酒、いまだに探してるよ」というと、熊五郎、また言い訳をし始める。 ある日、御勝手で簡単な普請をしていると、お清がどうもこの辺が片付かないとぼやいているので、熊五郎がすっかり片付けてしまう。 すると、お礼に今夜のおかずにでもと沢庵を二本、荒縄で絡げて渡してくれた。 持って帰って食べてみると、これが普段のより大層美味。 こういう美味い沢庵なら他におかずはいらないと、二日ばかりで平らげてしまう。 翌日……(以下、悪行1と同工異曲)
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