様々な原始人像
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/23 05:42 UTC 版)
こうした作品群に描かれた原始人像は多種多様である。第二次世界大戦前後に製作された映画では、恐竜と共存していたり、原始人ゆえの間抜けでコミカルな動作や行動を描いて観客を笑わせたが、無論それらは考古学的・古人類学的裏付けを欠いたものであった。 しかし、単に野蛮で遅れた人々というイメージではなく、現代人と共通する部分、例えば貨幣経済を持っているように描かれることもあったが、その場合、「流通する貨幣は石であり、大きいほど価値が高い」ということになっているなど(ヤップ島の石貨に関する知識の反映だと思われる)、やはり現代人との差異を強調してギャグの種にするようなことが多かった。実際には、貨幣経済は古代文明の成立後に初めて現れたもので、狩猟採取生活を送っていた原始人には貨幣は不必要なものであったが、現代人と似た生活様式を描くことでかえって彼らのこっけいな様子を強調する効果があった。 更に、アメリカのハンナ・バーベラ・プロダクション制作の『原始家族』では、原始人が石器を巧みに用いたり、恐竜を使役して現代人と同じ水準の生活をしている様子が、文明批判も織り交ぜてユーモラスに描かれた。
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