構成改革、完全普通選挙化の動き
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 00:41 UTC 版)
「香港特別行政区立法会」の記事における「構成改革、完全普通選挙化の動き」の解説
現在の立法会議員は、香港住民の直接・普通選挙によって選出された議員と、各種職能団体を通じた間接・制限選挙によって選出された議員(職能代表制)の2種類がいる。香港返還当初、基本法は2007年以降(実際には2008年実施予定の第4回選挙から)全議席を直接選挙枠(「普通選挙」)に移行できる可能性を示していた。しかし、2004年4月6日、全国人民代表大会は解釈権を行使し、「『2007年以降』とは、2007年ではなくとも良い」として、第4回立法会選挙における完全な「普通選挙」化の可能性を否定してしまった。 2005年12月、香港政府が部分的だが、現在よりは直接選挙枠を増やした案を提示した。しかし、完全な民主化を求める民主派(泛民主派・英語版)が反対したため、必要な立法会の3分の2の賛成を得られず廃案となり、2008年実施の第4回選挙では選挙枠の変更がなかった。その後も2012年の第5回選挙における選挙方法変更を目指した協議が政府、親中派(親建制派・英語版)各党、民主派各党の間で行われたが、2010年6月に立法会で採択された基本法改正でも、議員定数が変更されたものの、直接普通選挙の拡大はならなかった。 前述の基本法改正では、従来通りの職能団体の30席以外、区議会(第二)という職能団体を新設し、「他の職能団体議席の選挙権がない有権者のみ」をこの職能団体議席で投票させ、他の職能団体議席の有権者はこの職能団体議席に投票することができない。立候補の資格は区議会議員に限定されている。また、その区議会(第二)は全有権者の直接選挙からではないから、厳密にいうと、直接普通選挙枠の割合は拡大していなかった。 2014年で提出した政治改革では市民に意見を募集した中、立法会全議席直接普通選挙化という意見があるが、2014年8月31日では、中国全人代常務委員会は香港の政治改革意見募集の結果を元に、「立法会全議席直接普通選挙化の実行は、行政長官の普通選挙化の後実行することとする」といい、全議席直接普通選挙化は最も早くでも2020年(一番近い行政長官選は2017年)からという決定を下した。これへの不満も2014年香港反政府デモのきっかけとなる。 2015年6月22日では、前述の決定を元に提出された政治改革法案は、支持8対反対28で否決され、立法会の全議席直接普通選挙化は見送りにすることになっている。
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