株式会社化と民営化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/07 17:08 UTC 版)
「ニュージーランドの鉄道」の記事における「株式会社化と民営化」の解説
ニュージーランドの鉄道網は、その歴史の大半を通じてニュージーランド鉄道省によって運営されており、鉄道大臣は内閣の一員であった。1982年、鉄道省は株式会社化され、利益を上げることを求められるニュージーランド鉄道会社(New Zealand Railways Corporation)となった。1990年、鉄道事業の中核は国有企業であるニュージーランド・レール・リミテッド(New Zealand Rail Limited)に移管され、ニュージーランド鉄道会社は非中核的な資産を保有することになった。ニュージーランド・レール・リミテッドは1993年に民営化され、新しい所有者は1995年にトランツ・レールの名前を導入した。 鉄道網の所有権が民間企業にあった時期には、トランツ・レールは貨物輸送をトラックへと追いやっていたと批判されている。また、いくつかの路線で保線の欠如により故意にスピードダウンしたともされている。主に西海岸からリトルトンへ石炭を輸送しているミッドランド線は、政府の安全検査機関LTSAから2003年に、安全ではあるもののひどい状態であると査定され、大規模な修理が必要であるとされた。こうしたことになった原因としてよく挙げられているのは、道路は公共財として提供されているが鉄道網は私有財産であるため、道路輸送を用いた方が鉄道輸送よりも安いということである。トランツ・レールはまた、保存鉄道を運営している事業者に対して鉄道網へのアクセスを制限したと非難されている。保存鉄道運営者は、安全審査の承認を得るために必要な設備の利用権を得づらくなり、また適切な保険契約を得ることができないという問題もあった。
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