東シナ海、南シナ海をめぐる中国の行動
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「セキュリティダイヤモンド構想」の記事における「東シナ海、南シナ海をめぐる中国の行動」の解説
中国の対外的な拡大戦略は2015年に発表された国防白書『中国の軍事戦略』に反映された。そこでは海軍の「近海防御と遠海護衛の融合」の方針が打ち出されている。実際に東シナ海においては2008年12月に中国公船2隻が沖縄県尖閣諸島周辺の日本領海内に初侵入して以降、頻繁に同諸島周辺の領海および経済水域に侵入している。2010年9月には尖閣諸島周辺領海内で中国漁船と海上保安庁巡視船の衝突事件が発生し、2012年8月には香港活動家を乗せた船舶が尖閣諸島近くの領海内に侵入し、さらに7人の活動家が魚釣島に不法上陸する事件も発生した。 これに対し、日本政府は2012年9月に尖閣諸島の魚釣島、北小島、南小島の3島を地権者から購入した。中国や台湾は日本政府による尖閣諸島国有化だとして強く反発し、中国は既に常態化させていた公船による領海侵入をエスカレートさせ、台湾も領海侵入を行った。2019年以降も中国船の領海侵入は続いている。 南シナ海について、中国は2015年以降南沙諸島での地形の埋め立て、港湾や滑走路などの施設建設を大規模に行っている。当初、軍事基地化はしないとのことだったが、軍事基地建設も急激に進んでいる。2013年1月にフィリピンが中国を提訴したことに始まる仲裁裁判では、2016年7月に、1:中国の九段線で囲った海域への歴史的権利はUNCLOSに違反し、無効である 2:南シナ海の海洋地勢の法的地位に関する言及 3:中国の南シナ海における海洋環境を破壊するような建設活動及び漁業活動により、フィリピンの主権的権利と航行権が妨害されている 4:中国の南シナ海における仲裁裁判開始後の行動が仲裁裁判中の紛争の悪化や拡大の自制を求めるUNCLOSに違反する、という判断を下した(南シナ海判決)。この裁定に対して中国は国を挙げて反発しており、中国外交部は2016年7月13日に「裁定は無効であり拘束力を持たないため中国は受け入れず、認めない」という内容の声明を発表している。
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